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元禄時代は現在の日本と似ている? [サステイナブルな問題]

「むしろ浮華一瞬の人生に麻酔している人々こそ哀れに思った。ただ嘆かれるのは、国家の蝕まれてゆく相だった。元禄の人間は、元禄を享楽して死んでゆく。生まれてきた権利と云わせておいてもよい。—しかしこの国家は永遠のものだ、今生きつつあるわれらだけの生涯のものではない。しかも将軍家は、その司権を、至尊からおあずかりしているに過ぎない。建国以来のかがやきある皇土の、饐えた文化の黴を咲かせ、永遠の皇民に、われらの子孫に、亡国の禍根をのこして行っていいだろうか。短い自己の一生だけを存分に好き勝手に生きてしまったら、国土はそうなる他はない」

この文章は、吉川英治の小説「忠臣蔵」の一節である。江戸の元禄時代の刹那的な政と人々の生き様を嘆いているのであるが、これはまさに原発を推進させ、国債を発行しまくり次代に借金をつくりまくっている現在の日本の状況ではないか。しかし、元禄時代はその後、倒幕につながり、明治維新で国が様変わりした。そうすると、日本もちょっと先には大変革が起きえるかもしれない。そして、それは多くの日本人にとって受け入れがたいものになる予感がする。なんか、憂鬱になる。



新編忠臣蔵(一) (吉川英治歴史時代文庫)

新編忠臣蔵(一) (吉川英治歴史時代文庫)

  • 作者: 吉川 英治
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1990/10/04
  • メディア: 文庫




新編忠臣蔵(二) (吉川英治歴史時代文庫)

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  • 作者: 吉川 英治
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1990/10/04
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