SSブログ

なでしこジャパン優勝にも複雑な心境 [スポーツ]

なでしこジャパンが優勝した。ということを、アメリカ人の友人からのメイルで知った。彼は、素晴らしい快挙だと絶賛し、日本チームを褒め称えてくれた。しかし、素直に有り難うという気分にはなれない。

予選を2位通過したことや、アメリカに23戦0勝21敗2分けという成績であることを考えると、素晴らしい快挙であると思う。このような奇跡的な勝利をたぐり寄せた代表チームの奮闘ぶりをもっと素直に喜んでもいいと思う。私の長女は小学校4年生まで、ただ一人男の子のチームでサッカーをしていた。サッカーは好きだったのだが、男の子に苛められたというか無視されたので、結局辞めてしまった。そのようなことを考えても、この女子サッカーの快挙は、サッカー好きの女子がプレイするための環境づくりという観点からも本当に素晴らしいことだと思う。銀メダルと金メダルとではこの点では大きな違いだ。

さて、しかし、どうしてそう素直に喜べないのか。それは、この国が放射能まみれで呪われているからだ。少なくとも東日本は呪われている。そのような呪われているような状況下で、将来への道筋が見えない中での、スポーツでの活躍はそれほど勇気づけられないのだ。これが震災であれば別である。震災であれば、もう前向きに将来を見据えることができる。しかし、フクシマの原発事故は別だ。将来が暗すぎる。チェルノブイルの事故の後、多くの人々は鬱病を患ったという。私もちょっと鬱になっている。東京に住んでいてもそうなのだから、原発の周辺の人々の苦悩たるやどれほどのことかとも思う。いやはや、あの事故がなければ本当、この勝利で盛り上がれたと思うのに。とはいえ、絶望的な状況で、光ではないが、ちょっと嬉しく誇りには思う。世界に対して、迷惑をかけている駄目国民である日本人が奮闘したということは、ちょっと日本の株を国際社会では上げてくれたと思う。

さて、ここで世界に対して迷惑をかけている駄目国民、という文章で不快な思いをしたかもしれない。しかし、そんな私でも国際学会で、日本が迷惑をかけてごめんなさい、と一言謝るべきではないか、といった日本人の先生に思わず声を荒げて怒ったことがある。「そんなことで謝る必要はない。自分で責任を取れないのだから」と。責任が取れないことには謝る必要はない。しかし、海外の人達がその件で内心怒っていることは確かで、本当は謝りたいような気持ちにはなる。とはいえ、責任が取れないことは謝る資格もない。でも、国際的には駄目国民であることは、もう動かしがたい事実である。でも、そんな駄目国民の女子サッカーチームが世界一になったことは、やはり嬉しく有り難いことである。このブログを整理しているうちに、徐々になでしこの優勝への感謝の気持ちが強くなってきた。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0