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ノンアルコール・ビールを飲む [都市デザイン]

ゴスラーで遅い昼食を取るために居酒屋風のレストランに入る。カウンターがあってそこに座ったのだが、周りの客は皆、お酒を飲んでいる。私はグーラッシュを注文したのだが、なんか飲み物も注文しなくてはとのプレッシャーを感じてノンアルコール・ビールを注文する。これは、超久々に運転しているからだ。

一口、飲んで「まずい」と思う。私はディカフェのコーヒーも嫌いだし、アメリカのインド料理でよく出てくる唐辛子を虚勢したかのような辛くないカレーも嫌いだ。同様に、このノンアルコール・ビールも全くもって不味いと思った。こんな不味いものが商品になる唯一の理由は、自動車が普及したからである。すなわち、社会がモータリゼーション化した副産物として、自動車を運転しているものは罰として、この不味いビールを飲まなくてはならないのである。私も、『道路整備事業の大罪』という本を上梓しながら、車のハンドルを握ってしまったために、こんな不味いビールのような飲料水を飲まなくてはならなくなった。

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そんなに不味いのであれば、他の清涼飲料水などを注文すればいいじゃないか、と思われるだろうが、しかし、こうバーのカウンターのようなところに座ると、ジンジャー・エールを注文するのもちょっと何だと思ってしまう、肝の小さい自分がいるわけである。まあ、それを馬鹿にするのは自由であるが、意外にこういう肝の小さい人間は多いと思う。そうでなければ、こんな不味いノンアルコール・ビールが商品として成立できるとは思えないからである。すなわち、このノンアルコール・ビールはモータリゼーションと肝の小さい人間(おそらく、ほとんどの場合は男性だと思われる)の集合の交わりがその市場となっていると思われるからだ。なんか、悲しくて惨めな気分にさせられる飲み物である。もしかしたら、そういう気持ちにさせるためにつくられているのかもしれない。


道路整備事業の大罪 ~道路は地方を救えない (新書y)

道路整備事業の大罪 ~道路は地方を救えない (新書y)

  • 作者: 服部 圭郎
  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 2009/08/06
  • メディア: 新書



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