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『レッドクリフ2』のあまりの駄作ぶりに脱力する [映画批評]

『レッドクリフ2』を観る。『レッドクリフ1』は曹操の俗物ぶりとかに白けるとこもあったが、それなりに楽しめた。ということで、『レッドクリフ2』を多少、期待して観たら、これが相当の駄作であり、脱力させられた。「赤壁の戦い」という外せないストーリーで、これだけ外せるというのも驚く。中国的な甘さというか予定調和的な感性が、この「赤壁の戦い」という素晴らしい題材を下らないメロドラマに仕立て上げてしまっていると言ったら言い過ぎか。特に気に入らないのは、尚香である。そもそも孫権のお転婆な妹という設定であるのに、動きとかに鋭さがない。あと、スパイ活動中に親しくなった蹴鞠のうまい兵隊は、なぜ尚香を肩車とかしているのに女であることに気がつかないのか。決戦の戦場でおもわず尚香は兵の指揮を忘れて敵方であるにも関わらずこの兵隊に駆け寄ったりするのだが、リアリティがあまりにもない。観客を馬鹿にするにもほどほどにして欲しい。戦場で尚香が斬りつけて殺すぐらいの演出をして欲しかった。そもそも、弓矢が飛び交う中で、敵方を抱いたりするか。次に気に入らなかったのは中村獅童演じる甘興である。威勢のいい元海賊の大将であるが、走り方が明らかに運動神経がない奴の走りとなっている。こんな走りの大将がいるか。ここらへんは明らかなるキャスティングのミスであろう。私は高校時代に陸上部だったので、こういうところがどうしても気になるのである。あと、ラスト・シーンであるが、さすがにあの場面では曹操を殺すだろう。何を考えているのだ周瑜達は。あんな千載一遇のチャンスに曹操を逃すなどというのは、どう考えてもおかしい。高校生のケンカじゃないんだから。戦おうとする曹操を曹洪あたりが無理矢理、気絶とかさせて脱出させるというのが正しい終わり方だ。もう、このラスト・シーンをみて何かを蹴りたくなった。こんな下らない「赤壁の戦い」は初めてだ。唯一の救いは、孔明と趙雲が結構、格好よかったことぐらいだろうか。

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