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デュッセルドルフでの住宅探しに奔走する [ドイツ便り]

デュッセルドルフに住むため、ドイツに到着してから住宅探しに奔走している。私はドイツにはもう10回以上は来ているが、なぜか、最も日本人と関係の深いデュッセルドルフには来ることがなかった。そのデュッセルドルフに住むことになった。まず土地勘がまったくない。地図でおおまかな地形とオリエンテーションは知っていたが、それにしても住宅を探すにはあまりにも知らなすぎである。これから歩いて、この都市の状況を調べなくてはならない。

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デュッセルドルフ中央駅

とりあえず中央駅を降りる。駅の東側は工場地帯で、あまり治安もよくないという情報はもっていたので西側で探す。最初に狙ったのはペンペルフォルト地区だ。中央駅の正面はオフィス街だが、そこからは離れているが、郊外ではなく、商店なども多いミックス・ユースの土地であるから住みやすいと思ったからである。しかし、実際、訪れるとむしろ日本の地方中核都市の駅前ぐらいの活力に溢れている。子供がいなければいいが、子供には住みにくいかなと思い、違うところで探した方がいいと考える。そこで、日本人も多く住むオーバーカッセル地区までライン川を越えて歩いていく。オーバーカッセルは、ペンペルフォルトと違って住宅街には自動車があまり走っておらず、住宅地としては遙かに環境がいいことを知る。子供が暮らすには相当、いい環境である。確かに日本人が多いが、これも子供達には決して悪いことではないだろう。手元には幾つかオーバーカッセルの物件がある。早速、スターバックスに入ってインターネットに接続し、不動産会社にメイルを送る。メイルだけでは不安なので、電話をして翌日、オーバーカッセルの物件を見学したいのでセッティングのお願いをする。

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オーバーカッセルの集合住宅

一仕事を終えた気分で、ドルトモントに戻る。ドルトモントでまたメイルをチェックすると、なんとオーバーカッセルの物件は昨日、借りられたとの返事が来ている。なんと2つの不動産会社からそのような返事が来る。とり急ぎ、一つの不動産会社には明日会ってくれと伝えるのと同時に、この二つ以外の不動産会社にオーバーカッセルの物件を紹介してくれとメイルを書いて、床につく。

翌日、朝早く起床し、メイルをみると、新たに問い合わせた不動産会社からオーバーカッセルの物件はもうないから駄目だという返事が来ていた。ここで、圧倒的に売り手市場であることを知る。デュッセルドルフの物件は総じて高い。居候をしている友人のドルトムントの家は60㎡で500ユーロの家賃であるのに対して、デュッセルドルフは家具付きではあるが100㎡で1300ユーロから2000ユーロぐらいする。オーバーカッセルであれば、1600ユーロ以上という感じだ。これだと東京とほとんど変わらないくらいの値段である。こんなにべらぼうに高いにも関わらず、売り手市場であるのだ。もちろん4月の頭であり、そういう需要が高いこともあるだろうが、それにしてもこれは厳しい。急いで電車に乗って、デュッセルドルフに向かい、約束をしていた不動産会社の担当者に会いに行く。

この担当者は自分のデスクで、私の要望をきくと、いろいろとリスト・アップをしてきた。それらを見てから、現地に下見に行く。最初はライン川の東側にあるウンタービルク地区の90㎡くらいの物件。1300ユーロと料金的には悪くはないが、長女の通学は不便だ。それに加えて、周辺の環境は商業地区でそれほどいいとは言えない。ペンペルフォルト地区はそばに公園があるが、ここにはそれもない。次に連れて行ってもらったのはゴッツハイム地区である。ペンペルフォルトの北側でライン川沿いの高級住宅地である。ここは1600ユーロだが80㎡と狭く、1階でしかもシャワーしかなく、台所もない。とても住むのには厳しい。2週間くらいでの滞在ならいいが1年ではとても無理だ。それにしても、これで1600ユーロも取るかね。ゴッツハイム地区のもう一つの物件も、1階で、しかも寝室へ行くのにもう一つの寝室を通らなくてはならないなど家の設計に無理があり、検討の余地もない。オーバーカッセルの物件は、立地箇所は優れていたが、1階で全般的に室内が暗いのに加えて、大家の趣味の変な絵があちこちに飾られている。この絵は全部どけられると言われたが、しかし、室内のイメージがどうしても悪くなってしまう。ということで、ここを保留にしつつも、もう少しましな物件はないのかと尋ねる。すると急いでオフィスに戻り、また検索をしてくれた。最初に候補から外したペンペルフォルト地区で何かないかと要望すると、まあそこそこの物件が出てきた。100㎡で1500ユーロ。この物件は前日、場所をチェックしたものである。周辺の環境はオーバーカッセルとは比べものにはならないが、決して悪くはない。早速、午後に下見ができるかどうか連絡して欲しいと言うと、素早く対応してくれた。14時にアポが取れたということで、一度、この業者と別れ、現地で落ち合うこととする。

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結局、ペンペルフォルトのこの道に住むことにする

14時に大家と業者と会い、物件をみる。閑静な道路沿いにある3階でコートヤードも広くていい感じである。値段もオーバーカッセルの物件よりも100ユーロ安いということで、ここに決める。事務所に戻り、業者にここに決めたということで契約書を取り交わす。またサインは後でいいよ、と言われたが、ぐずぐずしているとまた他人に取られてしまうと面倒なので急いでサインをして大家に渡して欲しいという。さて、あとはこの業者へのコミッション料なのだが、いくらかと尋ねると「ちょうど4000ユーロ」だと言う。ちょっとおかしい。どうやって算出したのか、と聞くと、電卓で計算して「2677ユーロだ。間違ってごめん」と謝ってきた。4000ユーロは、まあ明らかにいい加減な数字であり、それまでコマネズミのように動いてくれて大変感謝していたのに大いにがっかりした。言い方は悪いが、フランス人とかならこういうことはやりそうだが、ドイツ人もこういうことをするとは思わなかった。彼は、家内が日本人なので今度家に招待するよ、とまで親切にいってくれていたので裏切られた思いが強い。せっかく家も決めていい一日だったと思っていたのに、後味の悪い一日となってしまった。ドイツ人の先入観が大きく崩れた一日である。ということで、契約や支払い等には結構、アメリカなみには注意をしないといけないな、と思わされた次第である。

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