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カリフォルニアのステート・フェアを訪れる [グローバルな問題]

カリフォルニアのステート・フェアに学生達と訪れる。ステート・フェアにはニューメキシコ州とテキサス州のものには訪れたことがあるが、カリフォルニア州のは初めてである。正確には、小学生の頃、ポモナのステート・フェアに訪れたことがあるが記憶が遠い。それに、ポモナのステート・フェアはカリフォルニアが大きすぎるので、しょうがなく二つに分けて開催しているものであるので、今回、訪れたサクラメントのものが本家本元のステート・フェアである。そういう点からは、初めて訪れたというのが正しいと思われる。
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さて、サンフランシスコに3年以上住んでいたにも関わらず、そこから1時間30分ぐらいで行けるサクラメントのステート・フェアに今まで行かなかったのは、なんかつまらなそうだな、と思っていたからである。敢えて行く必要もないな、という偏見を抱いていたのである。さて、しかし、今回は学生と一緒である。カリフォルニアのことを学ぶためには、ステート・フェアでざっとカリフォルニアの農業のことや地理を学びにはうってつけだろう、ということで訪れた。その印象を大雑把にここにまとめたいと思う。

まず交通であるが、自動車で行けば便利なのであろうが、公共交通で行ったので結構、苦労した。アムトラックでサクラメントの駅で降り、そこからライトレールで29ストリートまで行く。そこでバスに乗り換え、ステート・フェアまで行くのだが、バスは途中、高速道路に乗るなどして随分と走った。乗換自体は簡単で分かりやすかったし、ライトレールとバスで大人2ドル25セントと安かったが、時間はかかった。

入場料は10ドル。まあ安い。会場はお祭り気分で溢れていた。とりあえず、「カリフォルニア・ビルディング」へと向かう。ここは郡ごとに展示をしているのだが、郡によって展示のレベルにとてつもない差がある。中学生の学芸会のレベルのものから、電通が手掛けたのか、と思わせるようなレベルのものまである。まあ、アメリカらしいといえばアメリカらしい雑さ加減である。それにしても、いわゆる産地ブランドを形成するために、多くの郡が頑張っていることがわかる。チーズならこの州とか、たまねぎならこの州、にんにくならこの州、と作物による地域のブランド化にやっきになっているという印象を受ける。ここでは、売店も出ていて、お祭り気分に釣られて、ビーフジャーキー屋でビーフジャーキーを買ったりしたのだが、ドリンクを頼んで、凄まじく高い値段をふっかけられていたことに気付く。ソーダ類で4ドル近く取られた。ファストフードとかで大量のソーダを安く買ったりしていると、その差額に戸惑いを覚える。その後、カリフォルニアで栽培されている野菜類、飼われている家畜などを見る。結構、面白い。
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適当に観た後、昼食をフード・パビリオンで取る。こういうところでは、本当に食べたいものがない。しょうがないのでキャットフィッシュのフライを売っている屋台に並ぶ。キャットフィッシュとはナマズのことである。ナマズを私は結構、美味しいと思うのだが、なぜか日本では食べられない。何でも食べる日本人が食べない数少ない食材であるし、この屋台はアフリカ系アメリカ人が切り盛りしていたので、なんか期待を膨らませたので、まあ食べるか、と思って並んでいた。ところが注文を間違えたらしく、金を返す、と言ってきたので、また他で並ぶのもなんだな、と思い、とりあえずあるものを頂戴よ、と言ったらフライドチキンが出てきた。このフライドチキンは今ひとつで残念であった。私のお祭り気分も冷めた。

舞台では中学生くらいの子供達のロック・バンドが演奏していた。うまいといえばうまいが、下手といえば下手である。やはり、この年齢だとリズムがぐしゃぐしゃである。ギターはテクニックがあるが、スピリッツはない。いわばスティーブ・ルカサーのようなギターである。まあ、スティーブ・ルカサーのように弾ければ凄いことか。子供達のロック演奏を聴くほど寛容ではないので、他のイベントを観にいく。そこでは、サモア人系の移民達が伝統芸能を披露していた。なぜ、サモア人がサクラメントにこんなにたくさんいるのか。非常に不思議なことであったが、同行していたカリフォルニア大学デービス校のフジモト名誉教授の説明では、サモア人達は経済的理由からハワイに移住し、そこからさらにカリフォルニアのセントラル・バレーに移ったとのことである。だから、サモア人を始めとしたパシフィック・アイランダーはセントラル・バレーに結構、住んでいるそうだ。こういうことは、カリフォルニアに住んでいても、まったく見えてこないことである。
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総じてチープなお祭りであったが10ドルの価値はあった。それにカリフォルニア州を手っ取り早く理解するには、非常にいい機会を提供してくれる。私も結構、発見があったし、カリフォルニアに関心をさらに抱くことになった。私は45年の人生のうちカリフォルニアで7年生活した。東京以外では最長である。そういう意味で第二の故郷のような気持ちを持っているのだが、一方で知らない点もまだまだ多い。カリフォルニア・ステート・フェアは、私の知らないカリフォルニアの側面を見せてくれて、そういう点からは有意義であった。学生の一部は遊園地で遊んでいたようだ。まあ、そういうことに興味がいってしまうことは分からないでもないが、カリフォルニアまで来てもったいない。そういうことをすると勿体ない、ということが理解できるくらいは賢くなってもらいたいものである。

さて、このカリフォルニア・ステート・フェア、下記のホームページなどでは、開催場所がサンフランシスコとか記されているが、サンフランシスコではなくサクラメントである。サンフランシスコとサクラメントは名古屋と京都くらいは離れている。大きな誤解を招くので、行こうと考えている方は注意するといいだろう。

http://travel.jp.msn.com/special/event/north_america/san_francisco/festival/94527.html


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