SSブログ

マカッサルのストリート・チルドレン、キキの話 [サステイナブルな問題]

キキは15歳。マカッサルの海沿いにあるラグナと呼ばれる屋台街でギターの流しをして生活している。十八番はラバンバ。日本で生まれたらジャニーズに入れたかもしれない、ちょっと香取慎吾的な容貌の持ち主である。しかし、マカッサルで生まれたキキは、公衆トイレで寝起きをする生活をしているストリート・チルドレンだ。12歳までは学校に行っていた。学校も勉強も好きでないので、中学校に行かなかったことは気にしていないし、後悔もしていない。ギターの流しは7歳からやっているので、もう8年もしているベテランだ。以前は、フォート・ロッテルダムの辺りでやっていたが、この1年はラグナを中心に活動している。1日やると15000から20000ルピア(1円=75ルピア)ほど稼げる。ただし、5000ルピアのお駄賃を貰うと、残りは両親に取られてしまう。両親はここから8キロメートルほど離れたシグミナサという隣の県の町で住んでいる。キキは三日間ほどマカッサルで仕事をすると家に戻るというパターンを繰り返している。マカッサルにいる時は大体10時頃に起きて、プレイステーションを借りて遊び、夕方6時頃から仕事をして夜の1時に引き上げるという生活だ。プレイステーションを借りると3000ルピアかかるので、一日の食費は2000ルピア。なんでも食べられるものは食べるが、魚の団子が好きだ。父親はベチャの運転手、母親は専業主婦だ。兄弟は7人いてキキは上から5番目だ。兄弟は誰も学校には通っていない。父親のようなベチャの運転手にはなりなくない。将来は軍隊に入りたい(注:軍隊に入るためには最低、高卒であることが条件である)。それ以外だとミュージシャンでもいい。ギターはお兄さんから教わった。

ラグナの屋台街にはキキを含めて10名のギターの流しがいる。ギターの流しをするには長ズボンを着ることなどの規則がある。キキ以外に取材に答えてくれたイルハムは22歳で結婚して4歳の子供がいる。イルハムの親と一緒に同居している。ギターの流しは3年目。キキよりはずっと経験が浅い。しかし、曲をよく知っているので、1日30000ルピアは稼いでいる。イルハムは中学まで行き、中卒である。ギターの流しをする前はたばこを売っていた。たばこ売りのときは10万ルピアの売上げがあったが手取りは25000ルピア。たまに日雇いの土方仕事があるとそれもやる。しかし、この日給も20000ルピア。将来の夢はない。仕事がまったくないので、どうにもならないと言う。


nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0