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チャールストン [都市デザイン]

チャールストンに来ている。チャールストンはサウスカロライナ州にある人口10万人程度の港町である。ここは、全米で最初の保全条例を制定した町で、古い建物が多く保存されており、素晴らしい街並みを堪能することができる。保全する地域は「歴史地区」と「旧市街地地区」とに分類され、前者は後者に含まれる。前者の方がいろいろと規制が厳しい。ペンキの色を塗り替えることまで許可を得なくてはいけない。さぞかし市民は不便だろうと思ったら、市民はむしろ街並みを保全したいので積極的に協力するそうである。この条例自体が市民活動がきっかけとなって制定されているから、市民はむしろこのルールをサポートしているのである。問題が起きるのは外からやってきた人の場合がほとんどだそうだ。その詳しい点は、また後日発表するので細かく記さないが、立派な街並みを形成するためには、やはりある程度のルールや仕組みが必要なのだな、とチャールストンの心が洗われるような美しい街並みを歩くにつけ、思わされる。

規制緩和が利益を生むという短絡的な思考に囚われている日本人にはなかなか受け入れられないことかもしれないが、実は多くのアメリカ人は自分達の地価が下がることがないようにゾーニングや、今回のような保全条例を受け入れているのである。すなわち、地価を上げるためにゾーニングを好んで導入しているのだ。こういう点は、都市経済学的にもしっかり説明できるし、私も講義している。今のまま勝手にやらせていくと、本当にしっかりしていない自治体は魅力を喪失し、文化的な価値だけでなく、経済的な価値まで落としかねないと思われる。特に群馬県の伊勢崎市や一度、ブログで書いたこともあり秋田の横手市などは相当やばいのではないだろうか。


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