SSブログ

都市デザインは問題解決のための手段である [都市デザイン]

ドイツのベルリン工科大学の客員教授として10月途中から働いている。同僚は結構、無愛想で教員で私に親しく話しかけるのは、私を招待してくれた教員を除くと二人しかいない。二人ともベルリン出身ではなくて、ノルトラインヴェストファーレン州からベルリンに赴任してきている。偶然かもしれないし、そうでないかもしれない。そのうちの一人は、今年度(10月)から教員として講義を受け持つようになった若いドイツ女性である。金髪で碧眼の目をしているところはドイツ人っぽいが、一般的なドイツ女性らしく肩幅は広くなく、そういう点では柔らかい好印象を与える女性だ。その彼女が、ちょうど今日、初めての講義をしたらしくて、興奮していた。
 そこでいろいろと先輩面をして話したのだが、「学生は早くデザインをしたくてむずむずしているけど、私はいろいろと制度面を教えなくてはいけない。その重要さをどうやったら伝えたらいいのか難しい」というので、「都市デザインは都市を創造するのではなくて、都市の問題を解決することだというのを教え込むのが必要だと思うよ」と言ったら、納得して「今度、そう言ってみる」と嬉しそうにしていた。まあ、ここらへんはドイツ人も日本人も共通にみられる課題であるが、デザインというと、みな自分の創造性に任せて勝手に絵が描けると思っている場合が多いが、建築ではなく都市を対象とした場合、それはあくまでも問題解決のための手段にしか過ぎない(いや、本当は建築もそうなんですけどね)。つまり、何が問題であるかを調査し、その問題点をしっかりと分析し、その解決手法をデザインする、という3段階の能力が必要なのだ。ここらへんは学生だけでなく、日本だと政治家とかも分かってなかったりするので、それは、自分のような人間の発信力が不足しているからだと責任を感じたりもする。
 まあ、今日は年寄りの客員教授として、少しは貢献できたかなと思ったりもしている。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0