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デンマークのエネルギー政策の歴史 [サステイナブルな問題]

 デンマークのエネルギーの歴史。1972年は、デンマークは中東の石油に頼りすぎで、エネルギーの自給率が5%であった。そのような中、オイルショックを受け、日曜日には車を運転してはいけないみたいなルールができる。そこでエネルギーの自給を考え、原発がその候補となった。そして、原発を15基つくる計画も策定される。しかし、原発はいろいろと分からないことが多いので、ちょっと調査をする時間をくれ、と言う動きがでてきた。政府は、ちょうど北海油田が出たこともあって、いいよ、といってモラトリウムを設ける。その間、スリーマイル島の事故などが起きたりもして、原発で大丈夫か、という気持ちも広がる。そして、調査結果を示し、原発のメリット・デメリットを提示する。それに基づいて、住民にどうする?と問いかけた結果、原発はつくらない、という道を選ぶことになる。1985年の話である。そして、その後、風力発電を中心に再生可能エネルギーでやっていくことに舵を切る。現在、風力発電は全エネルギーの5割を賄っている。風力発電が多いロラン島は、エネルギー自給率は800%にまで及んでいる。
 デンマークのエネルギーの自給率は1997年に完全自給を達成したのだが、今は、北海油田はこれ以上、掘らないということにしたので現時点では60%になっている。ちなみに日本は11%である。
 デンマークが原発を選ばなかったことで後悔をしている人はいないと思われる。なぜなら風力発電の方が、発電コストが低いからである。そして、何より放射性廃棄物の処理を考えなくてもよい。1995年に国民が賢明な判断をしたことで、大きく、その後の国のトラジャクトリーが変わり、その結果、現在のデンマークの強靱さがつくられていく。デンマークの今の豊かさや、幸福満足度は一朝一夕につくられたものではないのだ。

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