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『機械との競争』 [書評]

150頁強の薄い本ではあるが、内容は極めて濃い。MIT(マサチューセッツ工科大学)の経済学教授と同大学のビジネス・スクールに務める科学者による共著。機械というよりかは、コンピューターの発展によって今後、多くの雇用が奪われるだろうという仮説を前半では検証する。どのような仕事がコンピューターに奪われ、どのような仕事は奪われないか、などの推測はたいへん興味深い。ただ、内容的には悲観的と思うかもしれないが著者は、将来展望は明るくなるのではないかと推察している。「デジタル技術は、分散した人それぞれの知識を経済全体の利益のために活用する機会を大量に生み出している」ため、うまくそれを活用する企業にとってチャンスはますます増えてくる、という見解を示している。ただし、「大学を出たら毎日上司にやることを指示されるような従来型の仕事に就こうなどと考えていると、いつの間にか機械との競争に巻き込まれていることに気づくであろう。」これから仕事に就こうとしている大学生や、またリストラされそうな社会人に読むと益が大きい本であると思われる。

機械との競争

機械との競争

  • 作者: エリク・ブリニョルフソン
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2013/02/07
  • メディア: 単行本



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