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ジャイメ・レルネルの展示をオスカー・ニーマイヤー博物館で観る [都市デザイン]

 ジャイメ・レルネルの展示がオスカー・ニーマイヤー博物館で行われている。彼がクリチバのマスタープランのコンペで優勝したのが1965年。それから50周年ということで、彼のこれまでの都市計画・建築の業績を展示するという、クリチバらしい素晴らしい企画展である。しかも、彼がオスカー・ニーマイヤー設計の役所の建物を大きくリニューアルして、つくったオスカー・ニーマイヤー博物館においての展示である。
入り口には、ジャイメ・レルネルが住んでいたクリチバの都心部にあるルア・バラオ・ド・リオ・ブランコ通りの地図、そしてカサ・フェリックスというレルネルの家が示されている。彼は、都市が彼の教師であると私への取材で述べている。
 https://www.youtube.com/watch?v=3o5xi5_F018
 レルネルという偉大な都市計画家が生まれたその源から展示するという考えに好感を持つ。この企画展は、これまでの彼の業績を示したものなのだが、最初のプロジェクトは彼の自邸であった。都市計画家の印象が強いが、最初に建築設計のプロジェクトというのは興味深い。また、私はクリチバにおける彼の業績はほとんど知っていたので発見はほとんどなかったが、アラカジュやサンパウロ、リオデジャネイロのプロジェクトはあまり知らなかったので大いに勉強になり、興味深かった。特に、レルネルがクリチバの市長をやっていない時期にどのような都市計画のプロジェクトに関わっていたのか、それらを今回の展示は教えてくれた。また、いつか機会があったら、ここらへんも調べて整理してみたいものである。
 この企画展に、多くの人が訪れていたことも興味深かった。クリチバ市民は都市計画に関するリテラシーが高いことは以前から気づいていた。しかし、昨今のクリチバ市政の迷走から、このクリチバ市民のリテラシーも下がったのではないかと思ったが、現在でも、少なくともある一定の割合で、そのような都市計画に関心を抱いている人、レルネル氏に好感を持っている人がいることが理解できた。というよりか、このような市長の展示を博物館でするということが、クリチバ市がやはり、相当、迷走し凡庸化していても、やはり傑出していることを示唆しているのではないかと感じた。

アーバン・ダイアリー.jpg

アーバン・ダイアリー.jpg
(クリチバ市の地図と彼の考えを示したスケッチに見入る市民)

アーバン・ダイアリー.jpg
(彼の業績が時系列で示されていて、これは個人的には大変、興味深かった)
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