SSブログ

まちカレを開催し、どうにか無事に終わらせられた [都市デザイン]

10月12日と13日、全国まちづくりカレッジを開催した。私のゼミ生が幹事役ということで、総勢130名近くの学生達が集うイベントを仕切ることになった。一体全体、どうなることやらと思ったが、ゼミ生達は、リハーサルを何回も繰り返しして、シミュレーションをしたこともあってか、フィールドスタディ、ワークショップ、懇親会、さらには大学の発表会等つつがなく終えることができた。

まちカレの発表会は、いつも思うのであるが結構、刺激的でそこらへんの学会発表よりも遙かに面白い。まちカレは、まちや地域というフィールドを研究の対象としている、ということを共通項として持つという大学の仲間達が集うのであるが、これらまちや地域には普遍化できるような解答がない。つまり、そのまちや地域ごとに固有の解があるわけで、それらをフィールドとするということは、常に、既存のものではなく新しい解を求めることが強いられる。そのために、その解を求めるうえでの知識や情報、さらにはネットワークに飢えている。だから、他大学が実践している経験や、その手法、そして、その成果などの情報にどん欲なのである。そして、自分たちが所詮、駄目だろうと思っていることを他大学が実践できていたりすると、とても元気づけられるというか、勇気というかやる気をもらうことができる。もうおじさんである私でさえ、そうなのだから、学生はより大きな力をもらえているのではないかと思う。

さて、まちカレを明治学院大学が開催するうえで一番の障壁として立ちはだかったのはお金の問題であった。他の大学はCOC「地(知)の拠点整備事業」といった文科省の補助事業などを受けていたり、大学が全面的にバックアップをしたりして、予算には事欠かない。私達の場合は、大学は広報を通じて2万円、経済学部が5万円、そして大学院は学院長の寄付金0.5万円ということで7.5万円しか獲得することができなかった。地元の港区に協力をお願いしにいったのだが、けんもほろろに断られた。面倒くさいことをするなあ、というリアクションには、私がそれ以前、港区の都市計画委員とか景観委員とかしていたので、ちょっと驚いた。ちなみに前回の伊勢で開催したまちカレでは三重県知事が来て挨拶までした。港区は都市計画部長に話を持って行くこともできない。ということで、しょうがないので江東区ですることにした。これは、江東区というよりかは、江東区水辺に親しむ会というNPOが我々の協力依頼を快諾してくれたからである。江東区も後援してくれたので、そういう点でも港区よりは遙かにましであった。とはいえ、お金の支援はない。

これは、大変だ、ということで、ゼミ生などといろいろと相談した結果、出てきたアイデアはゼミ生が発行する雑誌『ハビタット通信』に広告を募集するということであった。幸い、我々の研究拠点である魚らんラボがある地元の魚らん商店会の方々から想定を上回る援助金をいただけた。これも、日頃のまちカレ的な活動の積み重ねからもしれないが、そういう支援をいただけたことは私も含めてゼミ生には大変嬉しいことであった。さらには、公益財団法人ハイライフ研究所のウェブサイトに我々のワークショップの動画コンテンツとして買っていただくことになった。このように、大学そして自治体が金銭的援助をしない、ということで逆に、我々の守備範囲で運営費を稼ぎだせたこと、これは他の大学にも参考になるのではないかと思う。

また、まちカレの運営側に立って、まちカレという巨大なイベントは学生達にたいへん貴重な経験と、成長する機会を提供してくれるな、ということを実感した。特に今回、運営委員長をやった佐藤君は、まちカレを通じて、見違えるほど立派になり、ビフォア・アフターの違いは驚くほどである。それまで気づかなかったまちカレの偉大な効用をまた知ることができた。

このように素晴らしいイベントであるまちカレ。このイベントを次代につないでいくために、私そして私のゼミ生が少しでも貢献できたことをとても嬉しく思う。今後もいっそう活発化し、ますます発展することを祈念する。
nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0