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オスカー・ニーマイヤーのブラジリアにおける最新作であるデジタルテレビ塔を訪れる。 [都市デザイン]

ブラジリアのテレビ塔というと、多くの人はルシオ・コスタがブラジリアで唯一設計した塔を思い浮かべるであろう。いわゆる、ルシオ・コスタが設計した飛行機の形状のプラノ・ピロットの胴体の部分、おへそに当たるようなところにこの塔は位置しているのと、高さ218メートルということで、このプラノ・ピロットでは最も高い建築物ということで、とても目立つ。しかし、この建築意匠、全然、格好良くない。ちょっとこの塔の足が、ダリの髭のようにピンとした曲線を描いているところぐらいしか個性は見られない。ルシオ・コスタ記念館でみた、このテレビ塔のスケッチは結構、悪くないのだが、実物は全然、今ひとつである。

さて、一方で、ブラジリアのあちこちから見ることができる、とても目立つ塔が、ソブラディーニョの丘に建っている。ルシオ・コスタのテレビ塔と違い、とても個性的である。これこそが、オスカー・ニーマイヤーがブラジリアにおいて設計した最新作品であるブラジリア・デジタルテレビ塔だ。ということで、そこを訪れることにした。これは、別名セラードの花、とも言われるのだが、確かにチューリップの蕾のようにも見えなくはない。しかし、私的にはちょっとサグアロ・サボテンを彷彿させる。そして、サボテンの腕の部分には、キノコのような形状のお椀を逆さまにしたようなものがついている。これは、ガラス張りの展望台だそうだ。2009年に工事が始まり、それが完成したのは2012年4月。つい最近である。

ただし行くのは結構、難儀した。立地場所はプラノ・ピロットからは結構、遠く、エピア道路をソブラジーニョの方へ行く。ソブラジーニョの集落に入ったところで右折するのだが、看板が隠れていて見えず、見逃してしまった。そうすると、また例のごとくUターンができないので2キロメートルは無駄に走らせられた。反対から来ると、看板はしっかり見えたが、ブラジルのいい加減さをまた認識した。

展望台は、残念ながら土日しかやっていないのでそこまでは登ることはできなかったし、駐車場も入れないだけでなく、駐車場から塔の撮影も禁止された。というか、なんでテレビ塔に入ることができないの、駐車場に入れさせないために人を雇っているのだ。高さ180メートルのタワーはブラジリアを見下ろす丘にそびえ立っており、なかなかの貫禄で、コスタのテレビ塔より遙かに存在感がある。ちょっと行くのが面倒臭いが、行ってよかった。

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