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環境デザイン研究学会で下北沢の研究発表をしたら受けた [道路整備事業の大罪]

 シアトルで開催されている環境デザイン研究学会(Environmental Design Research Association)で『下北沢のオーセンティシティ』に関して発表した。セッションで発表された4つの中では、もっともいい加減な発表内容であったと思われるのだが、なぜか受けて質問攻めにあった。用意していたペーパーのコピーも全部捌けた。
 これは、下北沢というコンテンツが日本人以外の興味を惹いたからであろう。他の3つのうち2つはソウル市のもので、残りの1つはサンタフェ市をテーマとしていた。4つの発表はともに、都市空間の「センス・オブ・スペース」的な内容であり、ソウル市の一つは仁寺洞をテーマにしていて個人的には大変、興味をそそられた。大量のアンケートを実施し、それを因子分析して解析するなど、研究手法もしっかりとしていて私は面白かったのだが、なぜか私の発表に質問が集中したのであった。無視されるよりはずっといいのだが、ちょっと想定外だ。
 それは、推察するに、私の調査内容というよりかは、下北沢に26メートル道路を通すという野蛮な政策に対して、聞いている人達が過敏に反応したからであろう。なんで、そんな馬鹿なことを止められないんだ、と20分くらいは私に執拗に尋ねるアメリカ人の若手研究者などもいた。これだけ理不尽だし、時代は脱自動車だから、日本人はきっと分かるはずだと言ってくる。しまいには、どうも彼の実家のある自治体が品川区と姉妹都市らしく、母親が品川区に知り合いがいるから伝えてあげようとまで言ってきた。いや、親切は有り難いのだが、私も『道路整備事業の大罪』というそのままの本まで出版しているのだが。でも、この本、さっぱり売れていないし。
 とはいえ、やっぱり世界的にみると愚かなことをしているんだな、ということを改めて知る。いや、前から知ってはいるのだが、ここまで純粋にその愚を外国人から指摘されると、なんか複雑な気持ちになる。道路どころか、原発でさえ停止できないからね。


道路整備事業の大罪 ~道路は地方を救えない (新書y)

道路整備事業の大罪 ~道路は地方を救えない (新書y)

  • 作者: 服部 圭郎
  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 2009/08/06
  • メディア: 新書



タグ:下北沢 学会
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