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シアトルの地元のギター屋に行き、いろいろと感心する [地域興し]

 シアトルの昔ながらの商業地区であるパイオニア・スクエアの一画にあるエメラルド・ギターという名前のギター屋を訪れる。ここはクラプトンやビリー・ギボンスなども顧客の店で、58歳のオーナーであるブーン氏にいろいろとギターや店の話などをしてもらう。この店では、日本のクロサワ楽器もしょっちゅう、ギターを物色に来るらしい。店においてある個性溢れるギターの数々の説明をしてもらう。私は、ギターの違いはまったく分からないので、とても勉強になる。私はギターの善し悪しが分からないんですよね、とオーナーに伝えると、にこやかに「クラプトンとかは本当によくギターの違いが本当によく分かるんだよね」と返答する。それは神だから当然でしょう。とはいえ、それは嫌みとかではなく、なんか私との会話を促すような感じでの返答であったので、これはプロの接客だと感心する。私は日本のギター屋では、こんな丁寧な接客をされたことがない。この店には、常連客みたいなのが多く出入りして、適当にギターを選んでは弾いている。そして店の人や客とギター論議を始める。ちょっとしたサロンみたいな感じだ。ただし、ギターの揃えはよくない。ちょっとマニアックな品揃えである。こういう店が、しかし、シアトルの音楽文化を支えているのだろう。グランジがシアトルで生まれたのは、こういうギター屋を含めて、それらを支える基盤がしっかりとあったためではないだろうか。チェーン店と比べて品揃えは悪いし、値段も高いかもしれないが、チェーン店にはない商品説明、そして客とのコミュニケーション。シアトルの昔ながらの商店街パイオニア・スクエアの個性(オーセンティシティ)を構築する素晴らしい店だ。
 その後、試しに郊外にあるショッピング・モールの中にあるギター屋チェーンであるギター・センターを訪れてみた。そこでは、あまりやる気がなさそうな従業員が、常套文句で接客してきた。ギターの数はとても多いし、値段も悪くはないのだが、こういうところでギターを購入していたら、ギターへの愛情もなかなか育まれないのではないかと思ったりもした。エメラルド・ギターのオーナーは40歳ぐらいまではバンドで演奏していたが、もうそれほどビッグにはなれないので、今後の人生をどうしようかと考えた時、音楽とギターが好きなのでギター屋を始めたそうなのだ。こういうこだわりがある人がギター屋をやっていることは社会そして地域の一つの財産であると思ったりした次第である。

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(店長のジェイ・ブーン氏と記念撮影をさせてもらう)
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