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アメリカの会社では上司の機嫌ですぐ解雇されてしまう [サステイナブルな問題]

私のアメリカ人の知人は、優秀な大学出身で、大学卒業後、大手のランドスケープ事務所で経理の仕事をしていたのだが、上司が替わったら、その上司に気に入られなかったために解雇されてしまったことがある。その後、高給のワイヤレスの会社、今はエネルギー会社の大手で勤めている。エネルギー会社での仕事は面白くないそうだが、この安定さに変わるものはないという。ふうむ。

彼の話で驚いたのは、上司が替わったら解雇されてしまったという点だ。そんなことが出来るのか、と驚く私に「できるんだよね」と彼は答える。そして、「もし、黒人女性だったら裁判で訴えて、大金が手に入るのにな」と皮肉る。彼は、解雇される時に、社長から「本当に残念で申し訳ない」と言われたそうである。しかし、部署のトップの上司が判断したことなので、社長もなかなかどうにも覆すことはできなかったらしい。まあ、本気で覆そうとしたら出来たのかもしれないが。

こんなに労働環境が悪いのか、アメリカは。これじゃ、愛社精神やら企業における共同意識が芽生える訳がない。サラリーマンであれば、綱渡りで歩いているような思いを日々抱かなくてはならない。そのストレスは尋常のものではないであろう。私も会社員時代はそういう面で理不尽な目にあったことがある。私の部長を蛇蝎のごとく嫌っていたライバルが、出世競争に勝って部門長に昇進したら、部長を更迭させたのはもちろんのこと、その部の社員も皆、冷遇され、私を含めて極めて低い評価を下されたことがある。その部署では、数年後、私を含めて多くの部員が会社を自主的に辞めていくことになる。このケースは私のいた会社でもどちらかというと珍しいほど悪質な人事で、まあ、そんな私的感情丸出しの人事をしてしまう人間を部門長に出世させた会社にほとほと愛想を尽かしたことがあったのだが、この私の知人のケースは、より酷い印象を受ける。まあ、理不尽に低い評価をされるというのは、長期的には会社を辞めさせることへ繋がるだろうが、短期的に解雇される訳ではない。いろいろと辞めるための準備もできる。しかし、突然の解雇ではそうはいかない。失業保険がでるとはいえ、そのような状況に置かれるストレスは並大抵のものでもないし、そういう人事システムをしている限りは、社員が自分のことを中心に考えるようになるのも当然だなと思う。アメリカ社会の底冷えのするような非人間性的な側面を友人の話から感じとった。

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