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インドネシアはなぜ箸を使わないのだろうか [グローバルな問題]

トランジットでジャカルタ空港に降りる。クアラルンプールもそうだが、ジャカルタも空港に着くと、水気を帯びた身体にまとわりつくような空気が鼻孔を刺激する。水の匂いとでもいうような刺激である。さて、このジャカルタではトランジットに4時間かかる。今回の出張はトランジットで合計8時間。もう既にグロッキーに近いので、2回目の4時間は厳しい。こういう時はマッサージに限る。ということで、以前も行ったことがあるマッサージ屋に行く。一時間12万ルピア近く、インドネシアの相場より遙かに高いが他にしたいこともないので入る。ここなら荷物の心配もしないで、1時間はゆっくりとできるからだ。

ところで、このマッサージ屋の隣はインターネットが無料でできる喫茶店が併設されているのだが、マッサージの後、ここでチャーメンを注文して食べる。チャーメンといってもカップヌードルのような即席麺であり、日本のインスタントラーメンの方が美味しいが、魚団子が嬉しいインドネシアのファストフードである。このチャーメンを食べるのに箸が置いていない。というか、スプーンとフォークで食べる。これが滅茶苦茶食べにくい。ドイツに生活していて、つくづく箸が便利だと痛感している身としては、なぜインドネシアのように中国の影響を強く受けている筈の国にてチャーメンを食べるのに箸を使わず、スプーンやフォークを使うのかはまったく理解できない。欧米では、箸を使えることは社会的もしくは知的なステータスをも示す重要な指標にもはやなっていると思われるが、なんでアジアで箸を使わないんだ。確かにインドネシアやインドは右手で食べるというちゃんとした食べ方があるが、チャーメンは熱くて手では食べられないだろう。ということは、昔は中国と同じように箸を使っていたのではないかと思われる。いつからスプーンになったのか。それとも、スプーンが導入された後にチャーメンが入ってきたのだろうか。

私はドイツで料理を食べる時も出来るだけ箸を使うようにしている。オリーブを取るのなんて箸が便利だし、サラダだって場合によってはフォークより箸の方が食べやすい。マスなどの魚類は絶対に箸の方がはるかに丁寧に食べることができ、ナイフとスプーンはそれなりに効用があってもフォークと箸では遙かに箸が使い勝手がいいと思う。こんな不便な食器を3つも揃えなくてはならないなんて、頭が悪いな、と思っている身としては、なぜアジアで箸ではなくてスプーン、フォークを利用しようとするのかは分からない。とはいえ、もちろん宗主国がオランダだったから、その影響が強いのかもしれない。そうだとしたら、ちょっと残念なことだ。ちなみに、ジャカルタ空港には、ホーランド・ベイカリー(オランダ・パン屋)という名前の店がある。これはドイツをはじめとするヨーロッパではギャグ以外では考えられないネーミングである。というのは、オランダのパンなんて、不味いパンの代名詞だと思うからである。しかし、この不味いパンがインドネシアでは元祖だったんだろうねえ。ちょっと同情する。

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