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平沼赳夫の蓮舫への批判は酷すぎてただ呆れる [サステイナブルな問題]

1月17日、岡山市で平沼赳夫が蓮舫議員に対して、次のように発言したそうだ。以下、毎日新聞からの引用。

「言いたくないが、言った本人は元々日本人じゃない」と発言。「キャンペーンガールだった女性が帰化して日本の国会議員になって、事業仕分けでそんなことを言っている。そんな政治でいいのか」と続けた。

これは一般人でも首をかしげさせるような発言だが、国会議員の発言であるというのだから悲しくなる。蓮舫は国籍も日本人だし、出生地も東京だし、幼稚園から青山学院に通っている。父親が台湾人ではあるが、日本で生活していたのだし、旧国籍法という法律上1985年まで日本国籍がなかっただけで、どちらかというと台湾人より日本人であろう。しかも、法律に問題があるだけで、彼女には何の責任もないことだ。さらにキャンペーンガールという職種を蔑んだような発言も酷い。そもそも、彼女は日本人に帰化(1985年)してからキャンペーンガールになっている(1988年)。順番が違う。加えて、彼女は外国人参政権や人権擁護法には保守的な意見を持っているなど愛国的なところもあると察せられる(平沼議員とこの点では似たような意見を有しているのだ!)。

蓮舫は、個人的には失礼ながら女性としての魅力を感じない。発言等も多少、不適切なところもたまにあると思う。しかし、一生懸命議員として活躍してくれているし、重要な日本の人的資源であることは間違いない。平沼赳夫の批判はまったくお門違いであると思う。私はどちらかというと蓮舫を応援するような気持ちは皆無であったのだが、こんな戦前のような差別的意識をもった国会議員に、このような嫌がらせを受ける理不尽には同情するし、支援したくもなる。

それにしても、これから少子化も進み、雇用条件も厳しくなる中、何、古くさい道徳にもなっていないような価値観を公言しているのだ。平沼赳夫の国粋主義的な考えを全面的に否定するわけではないが、人口が縮小し、経済も成熟化し雇用の確保も難しくなっていき、文化的にはグローバル化がさらに進んでいくのに、こんな前時代的な価値観を振り回す人が政治家として多くの支持を得ているのは杞憂である。平沼赳夫のような考えこそ、国民を戦争へと導く考えであり、ヨーロッパの国々が何世紀もの過ちを踏まえて軌道修正してきたものが、未だに日本では払拭できていないのかと思わせる。日本は他国と陸続きではないし、そのような考えが極めて危険であるということを理解するには、まだ悲惨な経験が少ないのかもしれない。しかし、そのような経験をすることで不幸な思いをするのは国民である。馬鹿な国粋主義的な政治家に投票するというリスクをもう少し真剣に考えるべきではないだろうか。

私事で恐縮だが、祖父は戦争犯罪人でシンガポールのチャンギ・プリズンに投獄されていた。従兄弟は私より若かったが、親が被爆したことがおそらく原因で、9歳で脊髄の癌で亡くなった。そういうこともあってか、必要以上に反応するのかもしれない。しかし、多くの日本人が似たような経験を有している筈だ。それなのに平沼赳夫のような政治家は、なぜ支持されるのだろうか。

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