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ミシェランのゼロ星評価都市ゲッティンガンはどうしてなかなか素敵な都市であった [地球探訪記]

ドイツを代表する大学都市ゲッティンガンのホテルに泊まる。ゴスラーまで行こうと考えていたのだが、観光都市であり歴史都市であるゴスラーではホテルが高いだろうと考え、その手前にあるゲッティンガンに泊まることにしたのである。なんと一泊50ユーロという破格の値段である。さて、せっかく宿泊したのでゴスラーに行く前にゲッティンガンの旧市街地も観光しようと考える。信用してなくても、思わず持参してしまうミシュランのガイドを見ると、ゼロ星であった。ゼロ星というのも何だなあ、とまったく期待せずに旧市街地へ行く。

ところが、ゼロ星にも関わらず、木組みの家々をはじめ、旧市街地は賑わいに溢れて魅力的であった。市庁舎も、有名なガチョウを抱いた少女の銅像のある広場もなかなか素晴らしい空間であった。大学都市であるためか、自転車が多く行き交い、商店も賑わっており、敢えて観光に来なくてもいいかもしれないが、ゼロ星での紹介もちょっとなあと思わせられる。せめて一つ星ぐらいあげられないのか。同じ大学都市のミュンスターやフライブルグ、チュービンゲンは二つ星だし、アーヘンやコットブスなどの大学都市は一つ星である。まあ、大学都市で同じようにゼロ星なのは、イエナとかブランシュヴァイヒや私が所属しているドルトムントなどもあったりする。さらに、バウハウスの本拠地であり、バウハウスの講師たちの素晴らしい意匠の家が世界遺産にも指定されているデッサウもゼロである。ミシュランのこういった判断基準は結構、興味深いものがある。まあ、ミシュランがゼロ星の評価でも臆せずに訪れればいいということか。

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(市役所広場)

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(ゲッティンガンのアイコンであるガチョウを抱いている少女の銅像)

話は変わるが、このゲッティンガンはいわゆる60年代、70年代にひどいモダニズムの開発がインナーリンクの外側の大学キャンパスや、旧市街地とオートバーンを結ぶ道路沿いで行われており、旧西ドイツではほとんど初めてファスト風土的な現象を目撃した。郊外部の幹線道路沿いにショッピング・センターやナショナル・チェーンのファスト・フード店が立ち並ぶ光景はアメリカの都市の郊外や日本の地方都市を彷彿とさせる。ドイツは土地利用規制がしっかりとしており、またゲッティンガンは旧西ドイツのニーダーザクセン州に属するので、伝統的にずっと厳しい規制をしてきていたのだろうとのイメージがあったので、大いに驚くし、ちょっとショックである。

ということで、ゲッティンガンの旧市街地には期待以上に感心をしたのだが、それ以外の地域では大いに落胆させられたということで、なかなか複雑な印象を持たされた都市であった。

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