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静岡駅前の再開発は自動車優先の空間づくりをして、もったいないことをしたと思う [都市デザイン]

静岡を訪れる。私の例のごとく売れない本の販促活動として講演会を行うためである。静岡駅で降りる。随分と立派な駅ビルだ。ほう、さすが合併インフレで政令指定都市になっただけはある、と感心する。さて、会場のある中心市街地の方に行こうと思ったら、いきなり地上レベルは自動車道路で遮られている。歩行者動線は地下に誘導される。ここでも自動車は赤絨毯を我が物顔で走り、歩行者は追いやられているのだ。しかも中心駅であるにも関わらず!こんな馬鹿な計画は、今時フランスでもやらないだろうと怒りつつ、仕方なく地下街を行く。車椅子ではなくてよかったとつくづく思う。さて、地下街に入ると、いろいろと中で枝分かれしている。地下で方向感覚が狂わされたので、どちらにいっていいか分からなくなる。私は、頭髪が薄いことで明らかなように、男性ホルモンが多い。男性ホルモンが多いと方向感覚が優れる、と言われているが、私も御多分に漏れず、方向感覚が優れていることが自慢である。しかし、ここでは頭髪を犠牲にして得た私の方向感覚でも通用しない。当てずっぽうに進んでいく。結果的に違った道を選んだのだが、間違いに気づくまでに随分と歩かされた。この地下道をあがると結構、いい感じの商店街であった。自動車が通ることができるのだが、ジグザグしており、自動車の走行速度も遅い。ヒューマンでいい感じの道である。こんな道があるのであれば、このスケールを駅にまで延長できればさぞかしよかっただろうにもったいないことをした。自動車こそを地下にもっていくべきだった。自動車を地下にもっていけばコストは随分と高くなるが、こういうことにこそお金はかけるべきである。それは長期的な都市の命運を左右するぐらいの重要な判断であるのに、こんな人を追いやるような再開発をしてしまってもったいない。こういう失敗の積み重ねが、都市を衰退させていくんだよなあ。いつになったら気づくのだろうか。それにしても、これだけ間違っていると分かっているのに、まったく影響力も及ぼせない私の存在というのは何なんだろうか。まずい都市開発を知ると、自分の非力さを思い知らされて、二重で嫌な気分になる。
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