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都電荒川線に乗り、その需要の多さに驚く [都市デザイン]

叔父の家に行くので、久しぶりに都電荒川線に乗る。大塚から飛鳥山までである。土曜日の夕方であったが、鮨詰めのように車内は混んでいた。運行頻度は、その前の電車にぎりぎりで乗り損ねたにも関わらず3分くらいで次の電車が来たので、相当いいと思われる。それであるのに混んでいる。土曜日であるのに、これだけ混んでいるのだから平日はこれより混んでいるのかもしれない。

都電荒川線は黒字路線である。世界中でほとんどの路面電車が赤字であることを考えると画期的な路線である。しかし、この混み具合であれば納得だ。早稲田—大塚—王子—町屋—三輪と路線的には放射線状ではなく環状線状の交通需要に対応しており、本来的にはそんなにいい路線ではないと思われる。それでいてこの混み具合というのは、東京における路面電車に対しての潜在的需要が高いことを推察させる。おそらく、新たに路面電車を整備しても、それなりの交通需要があることが見込まれる。

地下鉄はある程度の距離を移動するには便利だが、駅間距離がありすぎるのと、新しい路線は地下深くまで降りなくてはならないのでちょっとした距離を移動するのにはそれほど便利ではなく、また高齢者には優しくない。バスは交通渋滞に巻き込まれるのと、スピード面では往々にして路面電車に劣るし、交通容量にも違いがある。

バスもそうだが路面電車は運賃の支払い時に時間がかかるのがネックであったが、最近ではスイカやパスモが普及しているので料金払いがスムーズになった。時間的にも結構、節約が図れていると思う。路面電車の利便性が増しているのである。

さて、世界的に路面電車が注目され、普及されるようになっている今、東京にももっと路面電車を整備するべきであるな、ということを都電荒川線に乗って思った次第である。どこにつくるか、ということだが、拡幅工事が進む山手通り、私の大学の前の桜田通り、などが候補に挙がる。山手通りは、はっきりいって幅が広すぎである。東京のような高密度なヒューマン・スケールな都市において、こんな幅が広い空間を設けても、なんか違和感を覚える。路面電車でも走らせないと、どうにも収まりが悪い印象を覚えるのは私だけではないだろう。桜田通りも道路幅が広いくせに、交通量は少なく、路上駐車のメッカのようになっている。疲れたタクシー運転手の仮眠スペースとして使われてしまっている。路面電車は片道1車線をつぶせばいいだけなので、五反田、高輪台、明治学院大学前、白金高輪、慶應大学、港区役所、浜松町、竹芝埠頭などのルートはどうだろう。バスの専用ルートを設けるという方法もあるかもしれないが、路面電車は走っているだけで都市の魅力を向上させる。ヒューマン・スケール、そして人間速度の都市をつくっていく効果がある。道路は十分に整備したので、さらに道路を整備することを考えるより、路面電車の整備を検討するといいのではないだろうか。路面電車の可能性をしっかりと考えるべきであるな、ということを荒川線に久しぶりに乗って認識した次第である。


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