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「美しい都市ランキング」で総じて郊外都市の評価が低いことに納得する [都市デザイン]

「都市環境デザイン会議」という都市デザインの職能団体がある。そこが「美しい都市ランキング」を発表した。これは、2001年時点で人口10万以上の都市について、都市の景観を構成する要素を項目に落とし、項目ごとに点数をつけて評価し、その総合点で都市のランキングをしたというものである。手元の資料では満点が何点かは分からないが160点以上をつけた都市は、盛岡市、鎌倉市、金沢市、京都市、神戸市、姫路市、奈良市、松江市である。古都が多く含まれている。姫路市とかはウォーターフロントの工場地区とかそんなに景観的に優れているとは思わないが、白鷺城の効果が高いのかもしれない。

こういうランキングで興味深いのは、むしろ点数が悪い都市である。80点未満の都市は小山市、伊勢崎市、太田市、朝霞市、富士見市、市川市、船橋市、松戸市、習志野市、柏市、八千代市、我孫子市、文京区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、練馬区、三鷹市、青梅市、小金井市、小平市、東村山市、保谷市、東久留米市、大和市、座間市、大垣市、各務原氏、焼津市、一宮市、春日井市、四日市市、草津市、堺市。一部、評価未了の都市があったり、相模原市や厚木市、茨木市の景観が松戸市や青梅市より優れているとは思えないが、総じて点数が低いのは郊外の都市、もしくは郊外的景観、いわゆる「ファスト風土」化が進んでいる都市であることが分かる。それ以外の都市は東京都の武蔵野を形成する都市群である。まあ杉並区が中野区よりランキングが低いなどは、ありえないがこれはおそらく評者が違うからであろう。神田川を散歩すると、杉並区から中野区に入ると標識等がなくてもすぐ分かる。まったく歩道の都市デザインが変わるからである。中野区に入ると急に殺風景になる。住宅地も中野区の方が景観的にも杉並区よりは貧相だ。

まあ突っ込めばいろいろと矛盾のようなものが出てくるが、しかし、こういう試みはどんどんやって議論を深めていくといいと思う。「美しい都市」の「美しい」というのは一体、どういうことなのか。景観法が制定されたが、何をもってして「美しい」ことを評価するのか。とりあえず、何が「美しい」かを検討していくうえで、都市デザイン会議のような職能集団が率先して試みたことは評価したい。

太田.jpg
ランキングで最下層のカテゴリーに入った群馬県太田市。駅前を区画整理して、整備された中央通りが風俗街になってしまったらそれも致し方ないか。しかし、太田市はこの風俗街を景観法でどうにか対処できないかと考えている。確かに、風俗街が困るのは、その活動行為自体よりも、むしろ景観面での外部不経済の問題が大きい。こんな中心市街地だったら、郊外のイオンに家族は行ってしまうであろう。まあ、ある意味では郊外の大規模ショッピングセンターと中心市街地とが役割分担をはっきりさせている事例とも捉えられなくもないが(イオンには風俗店は入れないから。とりあえず今のところは)。
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