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商店街がよくなるとジェントリフィケーションが起こることはむしろプラスという説明を商店主がして納得した件 [都市デザイン]

下北沢で講演会、というか勉強会で話をした。話の内容は、自動車を道路からシャットダウンし、歩行者中心の空間とすることで都市が活性化するという事例を中心としたものであった。さて、そのような話をした後、外国人の若者が、しかし、そういうことをすればジェントリフィケーションが起きるじゃないですか、と質問をした。鋭い質問であるが、ジェントリフィケーションは成功したから起きたことで、それが政策の失敗とは言えない。もし、それが問題であるなら、それは歩行者中心の空間ではなく、市場経済の是非を検討するような問いである、と回答した。まあ、こういうジェントリフィケーションが問題だ、というのは、いかにもアメリカなどで都市計画の教育を受けた(私もそうだが)理想論であり、現実を見渡したら100%の回答などないので、若干、うざいなと思いつつも、まあ、それが問題であると指摘されたら、それは問題であるとしか答えられないのは悔しいなと思っていた。
 すると、このやりとりを聞いていた会場の下北沢で店を経営している方が、そのような競争があるから下北沢の店舗は常に魅力的なのです、と回答した。そういう経営上の厳しさが、下北沢の魅力を向上させる要因なのです、と発言された。実際は、ジェントリフィケーションが起きると、あまり魅力はないがお金だけはあるチェーン店などが出てしまう問題があるので、これもそんなに上手く機能はしていないが、それでも、ジェントリフィケーションは店舗の魅力を増す、という話には説得力があった。確かにジェントリフィケーションもないようなところは、なかなか店舗も魅力を維持するようなインセンティブが働かない。興味深い視点をもたらしてくれた意見であった。

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