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道路が狭いことは、逆に人々の日常生活を便利にする [都市デザイン]

「街において、道路が狭いことは、逆に人々の日常生活を便利にする。」これは、立澤芳男さんというマーケッターがウェブマガジンで書いていたことである。
http://www.hilife.or.jp/datafile2015/tatsuzawa_tanbou03.pdf
三軒茶屋のことについて書いていたのだが、彼は「道路が街そのものという茶沢通は、西欧で言う一種のアーバン・ヴィレッジを形成しているように見える」とも書いている。いいこと言うなあ。
 そして、「人間的な暖かさのある街路は、シャッター街にはならない」とまで述べている。いや、それは必要条件であっても十分条件ではないんじゃないか、とは個人的には思うが、確かにシャッター街になっていない東京の街路は人間的な暖かさに溢れているとは思う。
 まあ、そういうことより、私が感心するのは彼が「道路が狭いことは、逆に人々の日常生活を便利にする」と指摘したことである。道路が狭いことは、便利なのだ。これは、私にとっては当たり前のことなのだが、あまり多くの人はそう思っていない。例えば、私の大学時代の同級生で、国交省の道路局で勤務していたものは、「インフラ整備を通じてより良い暮らしを実現する」という目的に邁進して、人々の生活を破壊しまくっている。というのも、インフラ整備はそこの住民を無視したものがほとんどだからだ。しかし、当の本人は「良い暮らしを実現する」と平気で宣うんだよね。この主語は、国交省の役人や土建業者や政治家の「良い暮らし」であるのだが、ちょっと国民が主語のように聞こえない訳でもないので、本当にたちが悪い。それも、なんか「道路が広くなると、人々の生活が便利になるだろう」と脳天気に思っている人が多いからだ。そういう中、マーケッターの立澤さんも「いやいや、そんなことはない」と指摘した文章をみつけたので、思わずブログに書いてしまいました。

「道路が狭いことは、逆に人々の日常生活を便利にする」。ちょっと、逆と書かなくてはいけない現状は切ないですが、まさに当を得ている。

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