『電力改革と脱原発』 [書評]
本書は、これまで著書が発表した「脱原発の経済学」、「放射能で汚染された廃棄物」の続編であり、これら二著が発表された後の新たな動きを電力システム改革を切り口とすることでまとめたものである。著者によれば「電力システム改革により、電力会社は、地域独占企業から競合する電気事業者のなかの一企業への転換を余儀なくされる。」そのような流れを著者は学者らしく、データをもとに、丹念に論理を構築させていく。本書を読めば、原発が安い、という説がいかにいい加減であるかがよく分かる。原発反対派も推進派も読んでもらいたい。原発の経済面からの問題がしっかりと分かりよく整理されている。
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