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志賀高原プリンスホテルに泊まり、そのあまりの劣悪なサービスぶりに堤一族に敵意さえ覚える [地球探訪記]

 正月にスキーに行くことにした。直前で決めたこともあり、思い切って値段は高いが、志賀高原プリンスホテルに泊まることにした。志賀高原プリンスホテルには東館、南館、西館とある。我々が泊まったのは、一番料金が安い西館。安いといっても、家族4人で二室を使ったので一泊5万円程度である。三泊で15万円。こうやって書いていても、その高さに嫌になってしまうくらいである。さて、しかし、一泊5万円も払えば、それなりのサービスが受けられると思うのは普通かと思う。私は、志賀高原に来たのはおそらく大学以来である。ということは、28年ぶりくらいか。いや、もっと前かもしれない。まあ、その時は志賀高原プリンスホテルというのは憧れであった。焼額ゲレンデは志賀高原でも最も奥にあり、その雪質のよさは志賀高原の中でも一番ぐらいだ。ただ、そのゲレンデ前には志賀高原プリンスホテルしかなく、学生であった私は一ノ瀬とかに宿泊して、そこからバスで焼額に行ったものである。志賀高原プリンスホテルに泊まれれば便利でいいのにな、とそこで宿泊している富裕層の人々を羨ましく思っていた。
 そのような過去のある私としては、志賀高原プリンスホテルに泊まるのは若い時の夢の実現ともいえる。そのためのお金も清水の舞台から飛び降りる気分で支払った。さて、それなりのサービスが受けられるかと思っていたら、その思いは、着いた日の夕食で見事に砕かれた。
 西館では夕食が取れるところが二つしかない。中華料理レストランとハーフ・バイキングとよばれるウエストサイド・レストランである。中華レストランもウエストサイド・レストランも料金は4150円である。4150円は高いが、それでも、それなりの値段に見合う料理が出るだろうと思い、ウエストサイド・レストランに入ると、そこは、なんか祭りのイベント会場のようなチープなつくりの場所であり、出てくる料理も輪に掛けたチープなものであった。というか、今日日、ファミリーレストランでもこんなにチープな料理は出てこない。1000円のバイキングならまだしも分かるが、4150円というのは暴力的なぼったくりではないか。しかも、このレストランは完全にセルフ・サービスであった。カフェテリア形式であり配膳をセルフであるのは分かるが、下膳までセルフサービスにさせて4150円というのは横暴過ぎるであろう。しかも、ドリンクは水だけが無料。もう、正月早々、腹が立ってしょうがない。
 悪夢は次の日にも続く。私以外の家族はレンタルスキーをしたのだが、それがなんと一日5000円。二日借りるので一万円。こんな値段を払うのであれば、買っておけばよかったと思う。しかも、レンタルスキーの対応も学生アルバイトのようなものがするので、全然、サービスがなっていない。
 まあ、ということで、プリンスホテルのサービスがある意味、とてつもなく前近代的というか、コトラーでいえば、3バージョンのうち初期のバージョン1。つまり、生産者の視点でのマーケティングしかされていない(ちなみにバージョン2は消費者の視点、バージョン3は社会の視点である)。2015年にこんな商売をやっていて、よく成り立っているなとほとほど感心する。というか、国民の財産である国立公園をこのような一企業の利益追求のみで使うことがよく許されたものだ。利益を追求するなとは言わないが、もう少し、国民の財産を私有化させてもらっているのだから、国民に還元するような配慮があって然るべきだし、国も規制をするべきであると強く思う。この点に関しては、アメリカの国立公園を少しは見直すべきであろう。アメリカではカリフォルニアのシエラネバダにあるミネラル・キングがディズニーによってスキー場開発されそうな時、セコイア国立公園にその地を指定し、ディズニーの開発計画を阻止するが、日本では国立公園であっても、平気で開発ができてしまうという、もう何がなにやら分からないことが起きているのだ。いや、それでも、国民にそのような国立公園のレジャー的効用を与えるために、それなりの維持費を徴収するというのであれば、私も納得するし、多少の利益を取っても文句も言わない。
 しかし、この志賀高原は他のスキー場に比べても遙かにコストが高いだけでなく、サービスも悪いという、もう最悪の状況になってしまっている。せっかく、志賀高原という素晴らしい雪質と素晴らしい環境を有した資源が、このような私企業が暴利を貪るために使用されていることは心底、残念である。私は、あまり西武というか堤康二郎、堤義明的な西武を好きではなかったが、今回の志賀プリンス滞在で、敵意さえ覚えるようになった。今後、西武ライオンズも応援しないし、西武園にも行かないようにするし、堤義明的な西武にはお金を一円も払わないような生活をしようと年の初めに思った次第である。
 しかし、焼額の雪質とゲレンデは素晴らしい。今度、来る時は奥志賀のホテルか一ノ瀬のホテルに泊まって来よう。それにしても、本当に、もったいなく残念な話であると思う。
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