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『ラジオ・デイス』 [映画批評]

ウディ・アレンのラジオに対する愛情が存分に表現された作品。アレンは声だけで出演はしていない。しかし、全般的にコメディ・タッチ。第二次世界大戦の時期の話であり、日本軍との戦況とかもラジオ放送で流れている。その時代のニューヨークの様相を、ラジオにまつわる幾つかのエピソードを通じて描いている。その放送に一喜一憂しているアメリカ人をみると、当たり前ではあるが、アメリカのような強国でも戦争中は、一般大衆はその行く末に心配になるのだな、と改めて気づいたりする。興味深いのは、しかし、それでもアメリカは1944年という戦時においても、基本的に人々はプロ野球のペナントに関心を持ち、恋愛にうつつを抜かしたり、ラジオ・ドラマにはまったり、小学生は豊満な女子教員に夢中になったりするなどして、日常生活を楽しんでいるということである。「欲しがりません、勝つまでは」の日本とは大違いである。こういう映画をみると、本当、アメリカの覇権のために戦争に行くような憲法改正は馬鹿馬鹿しいと思われる。閑話休題。本作品はアメリカ人でなくてもノスタルジックな気分につつまれる、アレン版「三丁目の夕日」的作品であって、観ると心がほのぼのする。


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