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『ウディ・アレンの重罪と軽罪』 [映画批評]

ウディ・アレン脚本・監督の1989年の作品。映画は二つのほとんど無関係なストーリーが交互に展開しながら進んでいく。一つは、不倫をした裕福で家庭にも恵まれたマーティン・ランドー演じる眼科医が、相手から家族にばらすと脅かされ、最終的には殺人をするところまで追い込まれていく話で、まったくもってシリアスな話である。もう一つは、アレンが主演で、仕事にも家庭にもうまく行かず、仕事で一緒になったミア・ファロー演じる女性に恋愛する映画監督の話で、どちらかというとコメディ・タッチである。これら、シリアスとコメディといった全く色合いの違う話が交互に出てくるので、殺人という罪にさいなまされている主人公の重苦しさから、アレンが出てくると観るものは開放されるような気分になる。そして、映画の最終場面でこの二つの話はようやく交錯するのである。主演のマーティン・ランドーの演技は鬼気迫るものがある。彼の演技が本作品に説得力を持たせていることは間違いない。


ウディ・アレンの重罪と軽罪 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD



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