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スティーブ・ハケット『スペクトラル・モーニング』 [ロック音楽]

スティーブ・ハケットの最高傑作の誉れ高いソロ三作目。特に1曲目と最後のタイトル曲が何しろ素晴らしい。1曲目での後半に展開するギターソロは、天空を駆けるがごとき情緒性に溢れたハケット節が炸裂しており、その素晴らしさはジェネシス時代のファース・オブ・フィフスのギターソロに匹敵する。まさに後生に伝えるべき素晴らしいギターソロであると思う。また、最後のタイトル曲は、ジェネシスの「トリック・オブ・テイル」、「静寂の嵐」を彷彿させる詩情溢れるドラマチックな素晴らしいインストルメントの佳曲である。それ以外の曲も3曲目のクロックス、6曲目のロスト・タイム・イン・コルドバ、7曲目のタイガーモスなどをはじめ素晴らしい。捨て曲は1曲もなく、アルバムとしてのレベルの高さは際立っている。ジェネシス時代は、トニー・バンクスに苛められていて、また、ハケット自身もコンプレックスを持っていたようだが、このアルバムを聴くと、ハケットの高い音楽性と卓越したギターでの音づくりが、前述したジェネシス時代の2枚のアルバムの驚くべき質の高さに彼が寄与していたことがよく分かる。また、このアルバムはボーナス・トラックが本作と同じ8曲も入っている(といっても最後の1曲は落語のような語りものだが)。そのうちの5曲は、本作品の別テイクものであり、それなりに興味深いが、価値があるのはライブのアコースティック・セクションであろう。ここでは、ブラッド・オン・ルーフトラップ、ホライゾン、キムなどが演奏される。観客の拍手が凄いが、その気持ちは分かる。ジェネシス・ファンには嬉しすぎるボーナス特典であるといえよう。

Spectral Mornings + 7

Spectral Mornings + 7

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Virgin
  • 発売日: 2005/12/19
  • メディア: CD



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