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日本のリフォーム市場 [サステイナブルな問題]

 リフォーム市場を調べるために取材調査などを行った。そこで分かったことは、リフォーム市場は6.2兆円の規模があるということだ。これは旅行産業の6.3兆円とほぼ同じだ。百貨店の6.1兆円や印刷業の6兆円よりも大きい。住宅の供給が需要を上回ってから30〜40年は経つ。リフォーム市場が大きいだろうということは、うすうす感じてはいたが、実際、そのような数字で説明されると驚いてしまう。ただし、リフォームは確認申請をしなくて済むので、この市場規模の数字はあくまでも推計値である。この6.2兆円のうち設備の入れ替えで3.6兆円だそうだ。
 さて、既に相当の規模があるリフォーム市場であるが、国はさらにそれを12兆円にまで拡大しようと考えているそうだ。ネックは、リフォームには金融商品がないということだ。現状では、地銀などの金融機関が個別に対応しているような状況であり、もし、リフォーム用の金融商品があれば、12兆円まで市場が拡大することは十分ありえるという専門家の意見。現状では、ほとんどの人がリフォームは現金払いでしている。既に、ヤマダ電気などの量販店はリフォーム業界に進出しているそうだ。
 リフォームをしていくうえでのもう一つの問題点は、リフォームをしても、それが価値に結びつかないこと。建物の質をしっかりと評価してくれればいいが、銀行はそれをしない。中古を買って、大型リフォームをする資金繰りでは足かせとなっている。
 リフォーム業界で経済が回るポテンシャルがあるにも関わらず、銀行がその機能を果たしていないのだ。
 また、消費者側からすると、リフォーム業者は玉石混淆である。不動産業者がしっかりとインスペクションをしてくれればいいのだが、不動産業者は面倒くさがってしまう。これは大きなネックだ。しかし、例えばR不動産の馬場さんが手がけた物件だと、皆、結構の値段でも払って住みたがる。リフォームでもスター・アーキテクトが手がけることで大きな付加価値を生み出すことができるのだ。当たり前の話だが、リフォーム業者も信用商売であるので、いい加減な仕事を続けていると、市場からは撤退させられてしまうであろう。
 日本は圧倒的に中古住宅の市場が小さい。しっかりと中古住宅をリフォームして、その価値を維持することができれば、日本の住宅環境も少しずつではあるかもしれないが改善していくのではないだろうか。

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