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エンジェル・オブ・ノースというイギリス最大の彫刻を見にいく [地球探訪記]

私を激しく、ニューキャッスルに向かわせたのは、ミレニアム・ブリッジを見たいというのもあったが、エンジェル・オブ・ノースを一目、見たいというのが強くあったからである。しかし、タイン川沿いのいわゆる新たにつくられた観光地のそばにあるミレニアム・ブリッジと違い、エンジェル・オブ・ノースはゲーツヘッドの中心から8マイルも離れたところにあった。これは、ゲーツヘッドの入り口につくられたから、しょうがないのだが、公共交通で行くのは相当、不便である。とはいえ、行かない訳にもいかないのでバスに乗っていくことにした。ちょうど、取材があった市役所の前にバス・ターミナルがある。

どのバスに乗るのかを探すのは大変だろうな、と思っていたら、なんとAngelと車体に描いてあるバスがきた。バスの運転手にエンジェル・オブ・ノースまで行くかというと、行くという。往復で2ポンド80セントである。喜び勇んで乗る。ちょっと、お釣りをくれないなどの運転手の意地悪もあったが、それも乗り越える。さて、8マイルといったら12キロぐらいだ。20分ぐらいかなと思ったが15分くらいでエンジェル・オブ・ノースが見えてきた。どこの停留所で降りたらいいかが躊躇される。エンジェル・オブ・ノースを横目に通り過ぎ、また、私がここに行くことを知っているのに、運転手はバスの次の停留所が掲載されている電光掲示板での情報を更新せず、猛スピードで停留所を通過しようとしたので、慌てて停めさせた。ちょっと歩くことになったが、致し方ない。

さて、このエンジェル・オブ・ノースであるが、イギリス最大の彫刻であり高さ20メートル、両翼部分が54メートルの鋼鉄製の天使である。作品が完成したのは1998年。総工費は100万ポンドであるが、ヘリテージ・ロッタリーと言われる宝くじでの収入でこれを賄うことになった。ちなみに、ミレニアム・ブリッジもこの宝くじによって資金を編み出している。

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私が、なぜ、このエンジェル・オブ・ノースに惹かれたかというと、それは、私が若き日に愛聴したジェネシスの「Watcher of the Skies」の佳曲のテーマであるウォッチャーをやたら、この彫刻が彷彿させるからである。この間、川崎に観に行ったスティーブ・ハケットのコンサートでも一曲目でやっていた曲である。ということで、見に来たわけなのだが、実際、実物を見てもなかなかの迫力で、その空間を支配する存在力は尋常ではないなと感じた。これがつくられた当時は、いろいろと賛否両論が出たそうだが、なんか、この地域のアイデンティティを強烈に表現させたという点からは、大きく評価できるのではないだろうか。少なくともゲーツヘッドという常に、ニューキャッスルの影に隠れてしまう地域のブランド戦略としては秀逸であったと思われる。まあ、実際はニューキャッスルの地域ブランドとして認知される側面の方が多いかも知れないが、イングランドの北西部の名所を手っ取り早くつくりだしたという点からは貢献度が大きいと思われる。実際、これは個人的な意見かもしれないが、なかなか素晴らしいインステレ−ションであるとも思うし。

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