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イギリスは公共交通関係者が、公共交通ということを理解しなさ過ぎているのではないだろうか。 [サステイナブルな問題]

ブリティッシュ・エアウェイズの悪夢が醒めやらない中、ニューキャッスルでバスに乗った。これは、ニューキャッスルの隣町であるゲーツヘッドにあるエンジェル・オブ・ノースというイギリス最大の彫刻を見たいと思ったからである。これは、ゲーツヘッドの都心からも12キロメートルも離れたところにあるので、バスで行くしか方法はないのだ。

さて、バスに乗るとき、エンジェル・オブ・ノースに行くか、というと行くという。幾らか、というと「往復か」と聞くので、「往復だ」というと2ポンド80セントだという。さて、そこで10ポンド紙幣を出したら、お釣りを返そうとしない。なんでだろう、と訝しんでいたらぶつぶつ言っている。ちょっと聞こえないので、「え!何?」と言うと、「プリーズ」と言っていたのだ。流石に、私は苦笑しながらも「プリーズ」と言ったら、お釣りを返してくれたが、そもそもお釣りを返すのは運転手の義務ではないのか。というか、私が「プリーズ」と言うかどうかと関係なく、お釣りを返さなかったら泥棒ではないのか。いや、もしかしたらそういうルールがこのイギリスにはあるのかもしれない。公務員天国の英国病がまだのさばっているかもしれないからだ。

ちなみに、このバスには行き先が車内の電光掲示板にて知らされるのだが、エンジェル・オブ・ノースの停留所が近づいても、この電光掲示板を替えなかった。これは、もしかしたらコンピューターで勝手に作動するようにシステムが組まれていて、システムが壊れているのかもしれないが、エンジェル・オブ・ノースが見えてきたときに、この運転手は怪しいと私は思っていたので、ストップ・ボタンを押したが、そうしなかったら、この運転手は平気でこの停留所をパスしていたであろう。私がエンジェル・オブ・ノースに行くということを認識していたとしてもだ。

このケースにしろ、ブリティッシュ・エアウェイズのケースにしろ、サービスのなさというよりか、サービス業に従事している人達の積極的な悪意をこのイギリスでは感じ取ってしまう。このような意地悪なメンタリティは、多少、アメリカでもない訳ではないが、すぐ訴えられてしまうアメリカでは我慢をしている。特に、公共交通という「公」の業務に従事している人が意地悪であると、本当に社会がうまくまわらなくて大変である。これは、巨大なるイギリスの病であると思われる。私は、まだ不愉快な思いをしていないが、キングス・クロス駅で大きな荷物が改札を通らなくて、大きな声で助けを求めていたお客を、そばにいた従業員が完璧に無視した。聞こえないということはありえないので、もう、これは悪意以外の何ものでもないと思われる。

私は、ドイツで生活していた時、ドイツ人の公共交通におけるサービス精神の悪さに呆れかえったことが幾度もあったが、それは、どちらかというと規則を頑なに守るための融通の無さに起因していると思われる場合が多かった。ここ、イギリスではそれだけではなく、積極的な意地悪、悪意を感じてしまうのである。私がイギリスで生活したら、間違いなく、自動車を購入してしまう気がする。ドイツでは、それでも自動車なしで暮らしていた私がである。公共に携わる人達の意地悪や悪意は、社会をサステイナブルでない方向に向かわせる。

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