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ドイツで最初の歩行者道路であるトレッペンストラッセを訪れる [都市デザイン]

 カッセルを訪れた。そこで我々と同行した大阪大学の大学院生が、ここカッセルの中心地街のトレッペンストラッセは、ドイツで最初の歩行者道路であるとの話もあります、と発言した。私は不覚にもその事実を知らなかったので、素直に驚いた。というのも、誰かが書いた本で、エッセンの商店街が最初の歩行者専用道路であるというのを読んだことがあった気がしたからである。
 まあ、それはともかく、このトレッペンストラッセを訪れた。これはカッセルの中央駅と、フリードリッヒ広場とを結ぶ回廊に当たる。第二次世界大戦後、戦後の再開発の中、トレッペンストラッセの計画が策定され、1953年11月にはドイツ最初の歩行者道路として整備された。ということで、大いに期待して訪れたが、実態は階段がところどころに設置されており、別に歩行者道路として位置づけなくても自動車は通れないじゃないか。というか、名前からして「階段通り」なので文句を言われても困るかもしれないが、そういう意味では最初の歩行者道路として敢えて位置づける価値もないな、と私は落胆した。少なくとも準歩行者専用道路としてアスタリスクを付けるべきであると私は考える。
 ちなみに歩行者専用道路ではないが、自動車を排除した歩行者天国はヨーロッパではやはりエッセンの商店街であるリンベッカーストラッセであり、その実施は1927年のことであった。ついでに、ヨーロッパでの最初の歩行者道路はロッテルダムのショッピングストリートであるラインバーン通りで1953年10月。ということで、トレッペンストラッセはこれから1ヶ月後という短い期間で開業したことになる。ちなみに、このラインバーン通りも訪れたことがあるが、超今ひとつである。ドイツで2番目につくられた歩行者道路はキールのホルステンストラッセで1953年12月12日開業。その同月にはシュツットガルトのケーニッヒシュトラッセが歩行者道路として開業する。その後は、もうドイツのあちこちで歩行者道路が整備されていくが、最も歩行者数が多いのは1966年の2月に整備されたケルンのシルダーガッセだそうだ。

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(歩行者専用道路かもしれないが、物理的にも階段があるので、自動車は通れない)

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(これを計画的な歩行者専用道路として、ドイツ初というのはちょっと残念)

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(現在は空き店舗もあり、それほど歩行者が多くもない。まあ、これは中央駅の位置づけが弱まったことも影響しているかもしれない)

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(ヨーロッパ初の歩行者道路という称号を持っていても、ここも今ひとつのロッテルダムのラインバーン通り)

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(上記の二つに比べると、現在でも都市計画的な位置づけ、実際の賑わいなど、ドイツを代表する歩行者道路としてふさわしいシュツットガルトのケーニッヒシュトラッセ)

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