『地産地消と地域再生』 [書評]
地産地消のことを勉強しようと手に取った本。しかし、私の期待とは裏腹にこの本は、ただ役所の報告書のような事例の事実がだらだらと書かれているだけのものであった。これで果たして本と呼べるのか、と思わせるつまらなさ。しかもオリジナルな写真が一切ないなど、読者のイマジネーションを喚起させる工夫もない。ただ、字面からその事例の状況をイメージするのは辛すぎる。皮肉なのは、「注記」として小さなサイズの字で書かれている著者の感想が、もっとも読み応えがあるということである。もっとどうどうと著者の視点から事例を整理し、分析すればいいのに、なぜか申し訳なさそうに「注記」として、主観的な意見が述べられている。本として出すのであれば、もっと堂々と自分の視座で、成功事例を整理してもらいたかった。既存のパンフレットをただコピーしたような内容の本を出すより、そっちの方がはるかに本の価値を高めただろうに残念である。