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『日本中枢の崩壊』 [書評]

本書は、経産省の現役幹部(当時)が官僚の問題点、民主党の腰砕け状況や政策の迷走ぶりを論じ、日本がいかに危機的状況にあるかを論理的に解説する。ここまで霞ヶ関の無責任ぶり、腐敗ぶりを丁寧に分かりやすく解説した本は個人的には初めて出会った。このような本だと、大抵スキャンダラスに扇情的な筆致で書かれるものが多いのだが、本書は違う。具体的な事例をもとに、なぜ、役人達はそのような行動パターンを取るのか、その動機付けをもしっかりと解説してくれるので、中央官庁の問題、そして何故、役人達があのように税金で食べていながら国民無視の対応をするのかが理解できる。そして、同時に、その問題の大きさに呆然としてしまう。しかし、本書のさらに素晴らしい点は、自らが日本の将来の指針、上記の問題に対してどのように取り組めばいいのかまで論述していることである。「全日本人必読の書」という帯のコピーは、大抵の場合は、いい加減であるが、本書はまさに必読書であると思う。少なくとも、将来、日本という国を守るためには必読であろう。

日本中枢の崩壊

日本中枢の崩壊

  • 作者: 古賀 茂明
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/05/20
  • メディア: 単行本



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