SSブログ

食料を購入する際、産地を気にしない人が半数以上いることにショックを覚える [原発問題]

今週号の週間ダイヤモンドは『食を守る』という特集記事を載せているのだが、なかなか充実していて参考になる。その中に、2011年4月12日に関東に住む18歳以上の男女500人を対象にしたネットの世論調査の結果が紹介されていたのだが、愕然とするものであった。そこには「福島第一原発の事故以降、野菜や畜産物、魚を購入する際、産地を気にしていますか?」という設問に53.6%が「産地をまったく気にせず購入している」と回答している。「普段、水道水を飲んでいるか」という問いにも55.2%が「日常的に飲んでいる」と回答している。
 3月22日に千葉県八千代市では、水道水から1キログラム当たり370ベクレルの放射性ヨウ素が検出された。これは、乳幼児だけでなくおとなも対象となる規制値(300ベクレル)を超えたもので「深刻」な汚染度である。しかも八千代市が市民に公表したのは29日と1週間も後のことであった。
 まあ半減期が8日のヨウ素のことは、これからはあまり問題にならないかもしれないが、それにしても、この深刻な汚染状況、そして行政が情報公開しないという危険な状況下で、水道水を日常的に飲んでいる人が半数以上いるというのは、なんでそんな楽観的になれるのかと驚くしかない。
 ヨウ素に変わって、これから深刻な問題となるのはセシウムとストロンチウムである。特にセシウムはチェルノブイリの事故があるので、その汚染状況からいろいろとフクシマに関しても推測することができる。チェルノブイリの事故で1600キロメートルも離れた南ドイツでも土壌や牧草が汚染された。バイエルン州東部では、1平方メートル当たり、最高10万ベクトルのセシウム137によって汚染された場所がみつかったが、それまでの最高値(地上核実験が頻繁に行われた時)が4000ベクトルであったので、チェルノブイリの事故の凄まじさが分かる。これによって、南ドイツでもキノコや野いちご、鹿やイノシシを汚染したそうだ。事故から20年経った今でも、ドイツのキノコで1キログラムあたり1000ベクトルのセシウム137が検出されているそうだ。これはドイツが日本からの輸出を規制する値を余裕で上回っている。
 チェルノブイリ原発事故後に医療支援活動に従事した長野県松本市長の菅谷昭氏は、放射能で汚染された国土で育った植物を食べた国民が、その結果どうなったかということを同誌で次のように述べている。
「最初は子供の甲状腺癌が多発する。事故後5年で大きく増え10年でピークに達する。発生数は約70倍になった」
「内部被爆の問題は続いており、子供や妊産婦に影響が出ている」
「現地の医師によると、子供の免疫力や抵抗力が落ちて、風邪をひいても治らないとか、特殊な呼吸器感染がある子供が増えた。血液の異常も出ている」
「妊産婦で問題になっているのは、早産や出生児に体重が軽い子供が傾向として出ていることだ。ほかの異常分娩があるようだが、現地の医師は口ごもる」

 政府の対策委員会では、「甲状腺癌はたちのいい癌だから大丈夫」などと言う委員もいるようだが、どうも放射能で被爆した甲状腺癌はたちが悪いらしい。こういういい加減な情報が垂れ流されている状況を考えると、無用な安心をしないで保守的に対応することが重要だと思われる。放射能は足し算である。空気、水、ほうれん草、魚・・。それらが個々では規制値以下でも、それらを足すと規制値を簡単に超えてしまう。私はこの件では相当、悲観的な方かもしれないが、それでもクレジット・カードの請求額はいつも想定を超えている。これは、少額だと思っていても、塵も積もれば山となるではないが、件数が増えると思いがけない額になってしまうからである。放射能でも同じことが言える。特に、外食を避けられない社会人などは、しっかりとコントロールできる自炊で、放射能のリスクを極力、避ける方がいいと思う。まあ、人それぞれではあるので余計なお世話かもしれないが・・・・。

nice!(0) 

nice! 0