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都会のオアシスとしての浜離宮の価値を改めて確認する [都市デザイン]

ドルトムント工科大学のクリスタ・ライヒャー先生を連れて浜離宮を訪れる。周りを汐留などの高層ビルや紫色の劇団四季の劇場の建物などに囲まれており、まるで箱庭にいるようだ。以前、フランスのリモージュ市の助役に、浜離宮のような素晴らしい公園の周囲にあのような無粋な建物を建てて日本人は駄目だ、というようなことを言われたのだが言い返せずに卑屈な思いをしたことがある。そういうことがあったのでライヒャー先生がどのように反応するかは気になったのだが、彼女は「まるで(ニューヨークの)セントラル・パークのようでいいじゃない」と言ったので、なるほど、そうかもしれないとちょっとこの高層ビルをポジティブに捉えることができた。とはいえ、ニューヨークのセントラル・パークの周辺を囲む建物群はジョン・レノンが住んでいたダコタハウスを始めとして皆、格があり、そして汐留のオフィス・ビル群よりはずっと低層だ。さらに、セントラル・パークに比べると浜離宮ははるかに面積的には小さい。ということで、セントラル・パークとは肩を並べることは難しいかもしれない。海に面しているということを考えるとバッテリー・パークに近いか。まあ、しかしこの陸側のエンクローズドな感覚と海に面する開放感などは、この空間的アメニティが低い東京においては貴重なオアシスであることは間違いない。これがあるのとないのとでは、本当に大違いである。ライヒャー先生もここは気に入られていたようである。

タグ:浜離宮
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