SSブログ

ドイツのトイレの有料制について考察してみる [ドイツ便り]

ドイツのトイレは有料である。無料で用を足そうとすれば、レストランに客として入るとか列車に乗るとかぐらいか。そうでなければ駅とかや公園とか(オートバーンにある)レストハウスですることになるが、大体50セントから80セントを支払わなくてはならない。最近のものは、お釣りがでるが、場所によってはお釣りを出さないところもあり、お金があっても用が足せないといった状況に陥る時もある。レストランでも客でなく利用しようとするとお金は請求される。スターバックスのようなファストフード系では、レシートにトイレの鍵の暗証番号が印刷されたりする(これが毎日変わるかどうかは不明だが、おそらくそうしているのだろう)。これは、ドイツだけではなくヨーロッパ全般でみられることだが、どうもポルトガルは無料らしい。

このトイレの有料制ということほど人を馬鹿にした制度もないと思う。都市において、常にそのためのコインを用意しておかなくてはならないというのは辛い。別に有料であるからといって、それほど綺麗な訳ではない。これは、人が用を足さなくてはならないという弱点を突いた卑劣な制度で、ヨーロッパ人の根源的な心の貧しさを垣間見たような気にさせる。そもそも、その卑劣さがどこでうかがえるかというと、たまに男性の小用のための無料スポットがあったりするが、女性用はないことである。これは、男性だとトイレが少ないと外でも用が足せてしまうが、女性はそういうことができないだろうという点を突いているからだという説明をドイツ人の知人から聞いた。もし、これが真実であったらフェミニストの人達は抗議をするべきであろう。これで女性の膀胱炎の治療に対する保険金が高かったりしたら、まさに人権の蹂躙である。ふざけた話である。

もちろん、ヨーロッパ人も常にトイレのためにコインを用意したりしている訳ではないし、用を足したい時に近くにトイレがない場合などもある。その結果、どういうことが起きているかというと野糞をすることになる。恐ろしいけれども、それが現実だ。私もドイツではないが、ブリュッセルの中央駅のエレベーターの中で遭遇したことがあるし、ドイツの道ばたで犬のものとしては大きすぎるものに遭遇したことが数回ある。コインが足りなかったのか、近くにトイレがないにも関わらず、猛烈な便意に襲われたのか。そこらへんは不明だが、私はそれをした人に嫌悪より同情を覚えてしまう。おそろしく辛い思いをしたのではないだろうか。私がもしそういう事態になってしまったら、ドイツというこの国のシステムを呪うような気がする。まあ、ドイツでなくてもフランスとかもそうなので、ヨーロッパのシステムを呪うことになるのだろうか。水と空気とトイレへアクセスできることこそ、人間の根源的な権利なのではないか、と思わずにはいられない。都市計画制度はしっかりしているし、環境政策もちゃんとしているかもしれないが、トイレへのアクセスにお金を取ったりするようなことをしているようでは、個人的には帳消しにしたくなってしまう。まあ、フランスとかは環境政策とかしっかりしていないがトイレは同様に有料なので、それに比べればましか。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0