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ミュンヘン [都市デザイン]

ミュンヘンを歩き回る。レオポルト通りという大学通りがあるのだが、ここは片道2車線、左折用(日本では右折用)のレーンのために中央分離帯の空間が設けられており、その外側には1.2メートル程度の自転車専用道路、2メートル程度の植樹帯(銀杏並木が素晴らしく美しい。日本の銀杏と違って、糸杉のように非常にスマートである)があり、その外側に3.5メートルの歩道、そして4メートル程度の植樹帯があるといった構造になっている。駐車帯も時折設けられている。設けられていない場合はバッファーゾーンとしての石畳が設けられている。素晴らしい道路である。学生街であることもあり、学生を中心とした歩行者もすこぶる多い。私の大学がある桜田通りとは大違いである!!桜田通りも車線を現行の片道3車線から2車線に減らすことで相当豊かな空間ができる。現状では、大学の前はトラックとタクシーの仮眠場となるほど交通量も駐車需要も少ない。なんて無駄だ。レオポルト通りをつくれるミュンヘンと桜田通りをつくってしまう東京とのセンスの差がそのまま生活環境の質の差を生み出している。本当にどうにかならないのか。

ミュンヘンを一日歩き回り、この都市はちょっと奇跡的であることを思い知らされた。120万人の人口を擁するにも関わらず、都心には高層ビルがまったくない。郊外のオリンピック公園に行くと、BMWや地元銀行のオフィスビルが高層ビルであるが、それくらいである。オリンピック公園にあるタワーの展望台から見ると、そのことがよく分かる。しかし、都心には戸建ての建物はほとんどなく、ほとんどが5階建てのビルである。壁の後を通っていると思われるリング道路の内側はほとんど自動車が入れないため、完全な歩行者空間を実現させている。そのため、凄い活力と賑わいに溢れている。なぜ、日本ではこういう感じで都市がつくれないんでしょうかね。東京とミュンヘンを比較することは問題であるのは分かる。しかし、他の地方都市、例えば仙台などはミュンヘンより小さいにも関わらず、そしてミュンヘンのような経済力がないにも関わらず、いたずらに高いビルや拾い道路をつくりたがる。それはずばり都市を理解していないからである。そのような都市を理解しない人達が都市をつくった国に住んでいる私は不幸である。
などと憎まれ口を叩いたが、同じドイツでも旧東ドイツの集合住宅地の巨大さはとてつもなく非人間的だし、旧西ドイツでもフランクフルトのようにスカイラインが醜くて、高島平のような集合住宅が建ったりしている都市もあるから、お国柄というよりかは、これはミュンヘン固有の素晴らしさなのであろう。


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