鈴木秀夫著『風土の構造』 [書評]
1975年に出版された本。私の手元にあるのは第七刷で1990年発行となっている。どんだけ積んでおいたのだろうか。今でも文庫本で手が入る。おそらく購入したきっかけは「風土」という言葉に惹かれたからであろう。さて、しかし、本の内容は気候学の本であった。気候によって風土や文化の様態に影響を与える、という事例や考えが述べられていて、とても刺激的で読んでいて飽きない。とはいえ、タイトルと本の内容には齟齬があるだろう。また、個人的には著者の研究に対する考え方が非常に参考になった。演繹的ではなく、帰納的なアプローチが必要である、という考えの説明は素晴らしい。何かの時に引用したい、と思わせた。
2023-09-30 10:53
nice!(0)