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Kotoko [映画批評]

いやあ、これは心底、酷い映画だ。まず、カメラワークがひどい。素人でももう少し、しっかりと撮影するだろう。演出も酷い。最初の女の子の踊りからして、どうにも出鱈目だ。いや、出鱈目な踊りというのも演出として意味があるのかな、と好意的に捉えようとしたのだが、そういう訳でもないようだ。これはCocco本人なのだろうか。そうであれば、他の踊りのシーンもそうだが、バレリーナとして大成できなかったことが理解できる。この映画は、狂気を描こうとしているのかもしれないが、それで何を見るものに訴えたいのか、そのメッセージは伝わらない。最後にCoccoの本当の息子が出てくるので、子育てと妄想に苦労した半生を訴えたいのかもしれない。しかし、好意を持ってくる田中への壮絶な暴力行為とか(どうもこれは妄想ではないようだ)を通じて、訴えるのは半端ないCocco演じる主人公の狂気である。そして、この狂気に共有する人はあまりいないと思う。
Coccoは凄い歌手だと思う。そして、いい曲を作る。天才的だと思う。しかし、この映画は彼女のいい側面を全く出してない。というか、この映画に出て、本人は何をしたかったのであろうか。もし、自分の内面等を表現したいのであれば、カメラワークとかシナリオとかは、もっとしっかりと考えた方が良かったのではないだろうか。ダンスの振り付けとかももっと考えるべきであっただろう。というか、ミュージシャンなのだから、音楽で表現をしていれば良かったのに、なぜ、映画のようなメディアに手を出したのであろうか。この映画を観たものが救われるのはCoccoが歌っている場面だけである。これが映画的に価値を持つとしたら、ノンフィクション的な事件がベースになっている時だけだと思う。監督や製作者、そしてCoccoにもマーケットを舐めるな、と言いたい。もしかしてヘロインでもやっているのか。まあ、私の意見などはどうでもいいだろうし、Coccoに関してはマーケットとかどうでもいいのだろうが。とはいえ、映画を観た後、Coccoの音楽はあまり自分には必要ないな、とも思わせられた。それが、もしかしたらこの映画の意図なのかもしれないな。

タグ:Cocco
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