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鳳凰三山(百名山60座登頂) [日本百名山]

山梨県の南アルプスにある鳳凰三山に登る。前日の夜に韮崎まで行き、そこのシティ・ホテルに泊まる。東京から韮崎まで自動車で渋滞しなければ2時間で着く。2時間のためにわざわざ行くか、という指摘もあるかもしれないが、この2時間は結構、貴重である。それだけ早く登山を開始できるということもあるが、早朝に東京を出ることになると睡眠がどうしても不足する。この睡眠不足は登山のコンディショニングの悪化にも繋がるからだ。翌日、韮崎のホテルを発ったのは5時30分。そこから登山口である青木鉱泉にまで1時間ほどかかる。意外と遠い。途中、セブンイレブンにてお昼や水などを購入したこともあり、青木鉱泉の駐車場を出発したのは7時10分頃になってしまっていた。青木鉱泉の駐車場は有料で一日800円、一泊二日だと1600円ほどになる。

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<青木鉱泉の駐車場から登山口へアプローチするところ>

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<青木鉱泉・・敢えて入浴する価値はないかも>

 採用したルートは上りがドンドコ沢コースで、下りが中道である。ドンドコ沢コースは渓谷沿いにカバの樹林帯を登っていき、とても気持ちがいい。丹沢の植林された杉林の中を歩くのとはまったく違い、爽快な気分で歩を進めていける。このドンドコ沢コース、途中で3つの落差のある滝を楽しめる。頑張って10分ほど横道に逸れて歩けば4つ(鳳凰の滝)目も見られるが、体力に自信のない自分はそれはやめてひたすら高度を稼いでいくことに専念する。とはいえ、下から順番に現れる南精進ヶ滝、白糸ノ滝、五色ノ滝は素晴らしく、これらの滝を見るためだけに登る価値があるとさえ思える。そして、これらの滝は苦しい上りを忘れさせてくれるご褒美のような効果があるのと同時に、ペース・コントロールにも役立つ。この登山道は素晴らしい。南精進ヶ滝は9時10分、白糸ノ滝は11時10分、五色ノ滝は12時頃に通過する。

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<ドンドコ沢は沢沿いに登山道が整備されている>

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<渓流沿いの登山道は涼しく、また水の流れが目を楽しませてくれるので飽きない>

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<南精進ヶ滝>

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<白糸ノ滝>

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<五色ノ滝>

 ただ、坂は厳しく、1000メートルほど登ったところぐらいで太股のピキキ状態が始まる。太股が攣ると不味いので、だましだまし登っていく。どうにかピキキ状態だけで、鳳凰山荘に着く。到着は13時10分。ほぼ青木鉱泉から鳳凰山荘まで6時間。なかなか古い感じの山小屋だ。ここで荷物を置き、軽装になった状態で鳳凰三山の一つ、地蔵岳にチャレンジする。地蔵岳までの道は途中から相当の急斜面の砂礫になる。私はストックを持っていたからよかったが、なかったらなかなか登ることさえ難しかったであろう。地蔵岳に着いたのは14時20分。ただ、残念ながらもうガスが発達していたので南アルプス側はほとんど何もみられない。どうもお昼ぐらいからガスが出るので、早朝に登るのが展望を得るためのポイントのようだ。上りと違って下りは、砂礫は楽だ。15時過ぎには山荘に戻る。夕食は17時過ぎ。カレーライス。お代わり自由ということで、お代わりをもらう。流石に体力は相当、なくなっている。18時には就寝する。 

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<山荘付近から地蔵岳を望む>

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<地蔵岳までのアプローチは途中から砂礫。これを登るのは大変だ。ストックは必須であろう>

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<地蔵岳の山頂>

 2日目は1時には目が覚める。しばらく、布団の中でじっとしていたが、周りが起き始めた3時に起床。朝ご飯の代わりにもらったお弁当を布団の上で静かに食べて、出発する準備を整える。ただ、なかなか明るくならないので、じっと山小屋で出発を我慢する。どうやら、足下が見えるぐらい明るくなった4時15分に出発。観音岳に向かう。まだ太陽は出てないが、4時40分頃から太陽がのぼり始め、森が赤く染まっていく。写真を撮影したが、まるでフィルターをかけたかのような美しい色彩にちょっと神秘的なものさえ感じる。

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<4時30分頃には朝焼けの空が明るんでいく>

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<朝日の色で妖しいような赤味を帯びていく森の木々達>

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<石楠花の花が咲き誇っている>

 観音岳までの道のりもなかなか厳しい。山荘から450メートルは登らなくてはならない。ただ、雲一つない晴天のもとでの山行は爽快である。すがすがしい気持ちの中で歩いて行くと尾根の分岐点に着く。5時30分だ。地蔵岳、北岳、仙丈ヶ岳の勇壮なる山容が眼前に広がる。ここからは、薬師岳まで尾根を歩いて行く。尾根道は岩場の連続ではあるが、360度の雄大な展望を眺めつつ歩くのはなんともすがすがしい気持ちになる。登山のまさに醍醐味である。ある程度、歩くと甲斐駒ヶ岳の雄姿も展望できるようになる。そして、前方には富士山が姿を見せる。逆光でみる富士山はとても神々しい。甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳、塩見岳、そして富士山という名だたる百名山の揃い踏みである。天気がよくて本当に有り難い。鳳凰三山、最高峰である観音岳に到着したのは6時20分。ここでちょっとお昼ご飯を食べて、薬師岳に向かう。薬師岳の到着時刻は7時20分。ここはあまり休まずに、そのまま中道を降りていく。中道はドンドコ沢とは違って森林の中を歩いて行く。木陰の中を歩いて行くのでそれなりに快適ではあるが、ドンドコ沢のようなドラマはない。ただ、急坂なのでくれぐれも膝に来ないように慎重にゆっくりと下りていく。御座石という巨石に到着したのは8時35分。さらに、なんか下山であるにも関わらず、へばってきたこともあり、休憩を頻繁に入れて下りていったら、登山口に着いたのが11時30分。ここから青木鉱泉までは道路を歩いて行く。幸い、自動車とはまったく出会わずに済んだ。この道路のルートも木陰が多く、渓流沿いであったためにそれなりに楽しみながら歩くことができた。そして、青木鉱泉の駐車場に到着したのが12時18分。いつものようにコースタイムより下山はちょっと時間がかかる。

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<甲斐駒ヶ岳の雄姿。右に見えるのは地蔵岳>

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<北岳と間ノ岳>

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<仙丈ヶ岳>

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<富士山>

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<鳳凰三山の最高峰である観音岳>

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<北岳と仙丈ヶ岳>

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<薬師岳の山頂>

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<御座石という巨石>

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<中道登山口。ここからは車道を歩いて青木鉱泉に戻る>

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<車道はしかし、それほど歩きにくくはなく、比較的快適であった>

 青木鉱泉の事務所まで行き、未払いであった駐車場代を支払い、ついでに青木鉱泉に入浴した。ここは入浴料が1000円と高額であるにも関わらず、施設は老朽化しており、温泉のような身体を温めるような効能もなく、しかも手拭いも売っておらず、色々な意味で今ひとつであった。これは、今回の登山の唯一といっていいほどの残念な点であった。

登山道整備度 ★★★★☆ 素晴らしく歩きやすい。ただ、尾根道の岩のぼりは歩きにくい。
岩場度 ★★★☆☆ ドンドコ沢の鳳凰山荘手前、また観音岳の手前に岩場がある。鎖とかはなく、そういう意味で決して難しくはない。
登山道ぬかるみ度 ☆☆☆☆☆ まったくないと言ってよい。ただ、これはたまたま晴れの日が続いただけかもしれない。
登山道笹度 ☆☆☆☆☆ まったくない
虫うっとうしい度 ★★★☆☆ ドンドコ沢は少なく、ほとんど気にならない。むしろ鳳凰三山の尾根道は石楠花が咲いていたこともあり、アブ類が多く、鬱陶しかった。あと、中道はアブ、蜂らしきものに絡まれた。
展望度 ★★★★★ ガスが発達する前に登ったこともあり、鳳凰三山、特に観音岳からの展望は絶景。
駐車場アクセス度 ★★★☆☆ (駐車場への道は未舗装で狭いところもあるが、危険ではない)
トイレ充実度 ★★★☆☆ (登山道の入り口にはしっかりとトイレがある)
下山後の温泉充実度 ★☆☆☆☆ (青木鉱泉はあるが、ちょっと運転して他の温泉に行くことをお勧めする)
安全度 ★★★★☆ 登山道はほぼ安全ではあるが、個人的には体力的にハードであった
 

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