SSブログ

「ラブリーチューンXX」 [宇宙団]

宇宙団の二枚目『それなりのつよがり』の4曲目にして、圧倒的なキラー・チューン。これは、もう出来た時点で後生に歌い継がれるような傑作であり、仮に宇宙団でヒットしなくても、誰かがリバイバルしてヒットさせるであろう。それだけの強烈な存在感を備えている曲である。椎名林檎の「幸福論」を初めて聴いた時のような衝撃を私は喰らった。それは、望月志保という母体を通じて誕生した鼓動を持つ生命力溢れる生き物のようにさえ感じられる。
 キーボードの風変わりなイントロに次いで、アニメソングのようなメロディのギターが被さり、歌が始まる。そして何よりも素晴らしいのは、そこから展開するサビのメロディーの美しさ。ベースのコーラスとの掛け合いも感動的である。
 そして、2回目のさびの後のキーボード・ソロもいい。というか、上手い。その後、宇宙団得意のそれまでの曲のイメージと違うような展開部が導入されるのだが、この展開部がこの曲をちょっとしたヒット曲とは違う次元に昇華させている。宇宙団の十八番ともいえるローラーコースターのように展開が変わり、実際の曲の長さよりずっと長く感じられる。これだけの時間に、これだけのドラマ的展開を入れ込めるのは才能の為す技であろう。個人的に、この曲を生みだしたことで、もう望月志保は生まれた意味があったなと思ってしまうほどの傑作であるし、ずっと歌い継がれるような曲になる力をも有していると思う。


それなりのつよがり

それなりのつよがり

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: わびさびレーベル
  • 発売日: 2018/01/17
  • メディア: CD



nice!(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1