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「夏に寄せて」 [宇宙団]

宇宙団の2枚目(実質的には3枚目)のアルバム『それなりのつよがり』の7曲目。ライブで聴いていた時は、演奏がこなれていないせいか、それほど感心しなかったが、CDでしっかりと聴くと、これはたまげた傑作である。マイナー調のワルツでこの曲は始まる。しかし、ドラムが入ると、急にメジャー調になり、涙腺をいたく刺激するような美しいメロディーのさびに入る。もう、これだけで曲として完璧に近いのに、レスポールのディストーションのギターソロで盛り上げて、また、急に静かにつぶやきのような静かな場面に戻る。そして、ベースのソロが加わり、それに覆い被さるようにピアノの宗教的な荘厳さを持つようなドラマチックな演奏で曲は終わる。その展開は、一枚目の傑作「ファンタジア」のようで、本当に、宇宙団は音楽的な偏差値が高い。頭がいい、というか音楽をよく分かっている。この曲はまた、望月の歌詞がいい。
「春夏秋を越えて、大人と呼ばれるようになりました。
でも化石のようになる前に掘り返さなくちゃ この気持ち
当たり前のことができなくなって、いつかわたしは悔やむだろう
分かっているのに 分かっているからこそ いつか私は悔やむだろう」
 これだけ曲がこの世でつくり出されているのに宇宙団は不思議なハーモニーで唯一無比的な音世界をつくりあげられている。これは凄いことだと思う。

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