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エアフルトのプラッテンバウ団地ヘレンベルグのコミュニティ・ビルディング [サステイナブルな問題]

 エアフルトの南にあるプラッテンバウ団地ヘレンベルグというところを訪れる。ここはエアフルトの東南に位置している。1970年代に建設され、その規模は180ヘクタールである。路面電車3号線と4号線が通ってい。1990年には15282人の人口を擁していたが2004年までに凄い勢いで人口が減少し、7993人まで減るが、それ以降はなぜか人口が安定しているというところである。ただし、高齢化率は進んでおり、住民の平均年齢は45.8歳。これはエアフルトの平均年齢よりも3歳ほど高い。
 さて、そこでコミュニティ・ビルディングを展開しているプラットフォーム・エアフルト(Platform Erfurt)を訪れ、いろいろとお話を聞く。現在、このプラットフォーム・エアフルトが活動しているプログラムとして、ヘレンベルグのコミュニティ・センターで活動する者に、年間で400ユーロ補助金を与えるというものがある。ブレイク・ダンスのグループや、ダンス・グループなどが、このプログラムに参加しているそうである。
 このプログラムを運営しているのは3人+インターンシップだそうだ。とりあえず、ヘレンベルグという団地において、人々により積極的にコミュニティ活動をする動機付けを提供することなどを意図している。そのポイントは消費的に社会・コミュニティに接するのではなく、もっと能動的に責任を恐れずに活動することを促している。社会主義時代は受身であることが生き延びるために求められた。社会主義時代を体験している人達は、あまりコミュニティに関わることをしない。そのような意識を転換したいと考えている。
 そういう意味で、現在、高齢者にアウトリーチするために、毎週火曜日の10時から14時まで無料の朝ご飯を提供するというプログラムも展開している。
 いろいろと興味深い活動で、幾つか質問をした。SNSはプログラムの普及にどのように活用しているのか?と尋ねると、他の地区にはSNSは結構、効果的ではあるのだが、ここはあまり効果がないという返事がきた。また、プログラムを運営する課題に関して尋ねると、市役所に予算を毎年申請するのだが、その事務書類があまりにも面倒臭い、と回答したので私も苦笑いをしてしまった。ここでは就業時間の3分の1は、このような役所への申請書類作成とその折衝に費やされてしまう、と苦情をこぼしていた。しかも、プロポーザルでは何か新奇性が求められているので、企画書作成にも苦労をするとのことである。それにも関わらず、それを評価する時間も余裕もなく、また新しいアイデアを出さなくてはならないそうだ。
 日本も同じような状況にあるが、この役所のための仕事の多さが、まさに経済活動の障壁になっているというのは、ドイツも同じのようだ。

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(我々の取材に応じるプラットフォーム・エアフルトの職員)

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(ヘレンベルグのプラッテンバウ団地)

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(これは団地の建物を撤去した跡地)
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