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サンノゼ・ドス・ピニョイスの笠井珈琲を訪れ、珈琲について勉強する [クリチバ]

 クリチバ空港のそばにあるサンノゼ・ドス・ピニョイスにある笠井珈琲(http://www.kassaicafe.com.br)を訪れ、そこのオーナーである笠井さんにいろいろとお話を聞かせてもらい、珈琲のことについて随分と勉強することができた。
 笠井さんは日系三世。50歳まで銀行勤めをしていたのだが、50歳で退職して美味しい珈琲をつくることに専念した。今年で14年目になるそうだ。100ヘクタールの土地を購入して、実際に珈琲豆の栽培をしている。
 私は珈琲が好きなのだが、あまり珈琲豆のことについては詳しくない。まず、笠井さんは珈琲豆についてお話をしてくれた。珈琲豆は大きくアラビカ種とホーブスタ(ローバスト)種がある。アラビカ種の方が高級で値段も高く、ホーブスタ種は安く、またそれほど甘くない。
 また、笠井さんは珈琲豆を枝ごと採るそうだが、コロンビアは木から直接、選別してよい珈琲豆を採るそうだ。彼は、この方法は木に優しくないという。その理由はちょっとよく分からなかったが、まあ、珈琲を採る方法にしても、いろいろなやり方があることが理解できた。
 笠井さんは脱サラしたわけだが、銀行時代に比べてずっと楽しいと言う。珈琲を通じて知り合った人間関係はよいと言う。笠井珈琲は営業をしない。ただ、どのように珈琲を栽培して、つくっているか、そして味をみてもらっているだけだ。それで買いたいという人にだけ買ってもらっている。幸いなことに、どこに行っても笠井珈琲の評判はよいようだ。
 なんで、笠井珈琲は違うのか、ということを尋ねると、ブラジルはきれいな珈琲豆を重視しており、美味しい珈琲豆を重視していないからだと言う。美味しい珈琲豆は蜜が染みこんでおり、見た目はそれほどよくない。笠井珈琲では、この後者を優先しているそうだ。
「悪い珈琲はない。珈琲は悪くなる」という、珈琲豆性善説を笠井さんは何回か繰り返していた。
 笠井さんは敷地にある珈琲の木から豆を幾つか採ってきてくれた。珈琲の豆は私が思っているよりずっと大きく、サクランボぐらいの大きさであった。つまり、我々がコーヒーの豆と思っているのは、サクランボの種のようなもので、実際、珈琲の豆の周りの果肉は甘くて、珈琲豆から連想される苦味は一切ない。私は知らなかったのだが、どうもインドネシアではジャコウネコの糞から未消化の珈琲豆を取り出して、それを飲んでいるらしい。ジャコウネコはどうも美味しい赤味のある珈琲豆を選り好みするらしく、さらにジャコウネコの体内で自然発酵されることもあって、不思議に美味しい豆がつくられるらしい。なんか、世の中、とんでもないものがあるな、と感心する。
 素晴らしい珈琲豆栽培者であるが、日系人ということもあり、日本人も結構、訪れるそうである。私がいた時も遠く、隣国パラグアイから笠井さんの珈琲を仕入れに来ていた業者がいた。自動車でわざわざ来たそうだ。
 笠井さんは「日本人は珈琲の飲み方が1番上手い」と言う。砂糖を入れないで飲むからだそうだ。私も、実は世界で1番美味しいコーヒーは日本で飲めるのではないか、と考えていたので合点がいった。しかし、珈琲豆が育たない日本で、なんでそんなにみんなが珈琲に拘るかは不思議なことである。笠井珈琲では、当然、珈琲を飲ませてもらったが、笠井珈琲専用の自販機から飲んだ。この点に関しては、私はちょっと大いなる疑問を抱いた。日本であれば、私でも自宅、オフィスでも珈琲豆を挽いて淹れる。珈琲豆を購入するところも、皆、焙煎屋で注文してから焙煎してくれる。このプロセスを経ると、日本でも美味しいコーヒーが飲める。
 ここブラジルでは、なぜ、そのプロセスを珈琲を飲む前にしないのか。もし、すれば日本では到底味わえないような、至高の珈琲が飲めるような気がするのである。私もちょっとカフェをまたやりたい気持ちになってきた。

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(笠井珈琲の看板)

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(焙煎した豆をみせてくれる笠井さん)

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(珈琲豆はオリーブぐらいの大きさがあって驚いた)

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(笠井さん)

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(敷地内にあった珈琲の木)

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(私が訪れた時はパラグアイからわざわざ仕入れに来た人達がいた。パラグアイでも笠井珈琲は人気のようだ)

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