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日本の文房具が世界最高水準であることを日本人はあまり知っていないのではないか、ということを成田空港で考える [グローバルな問題]

 成田空港で文房具というかペンを買おうと、成田空港にある文房具店に入った。基本的に購入したかったものはサクラクレパスのPIGMAであった。結構、お洒落な文房具店だったので、これは置いてあるかなと期待していたら置いてなかった。というか、ここに置いてある文房具はドイツのステッドラーとかアメリカのBicとか、外来品ばかりであった。私は、この文房具屋の品揃えにとても驚いた。というのは、日本はいろいろと良質な商品を世に送り出しているが、文房具はその中でも傑出して優れているからだ。というか、間違いなくコスト・パフォーマンスを配慮に入れれば、世界一であろう。
 私は小学校四年生の時、アメリカの小学校に通ったのだが、多くのカルチャーショックの中でもCrayolaというクレヨンのあまりの品質の悪さには強烈なショックを覚えている。サクラ・クレヨンがとても懐かしかった。同じことは、消しゴムでもいえる。三菱鉛筆のMonoの消しゴムに比べれば、アメリカの消しゴムは糞である。同様のことはBicのボールペンでもいえる。というか、文房具に関しては1970年代時点でも日本はアメリカよりはるかに進んでいた。その後、大学院で再びアメリカで暮らすことになったが、私はランドスケープ・デザインというデザインの学科に所属していたので文房具は商売道具であった。この時点でも、日本の商品はダントツに優れていて、多くの学生の憧れでもあった。マーカーなどは、圧倒的にサクラクレパスのピグマが優れていたし、製図ペンも日本のものがコスパではダントツに優れていた。というか、ぺんてるのサインペンのように安くて優れたサインペンが世界中、どこにあるのか。現地の大手文房具店では、日本の文房具が宝物のようにディスプレイされて、日本よりずっと高い価格で販売されたりしていた。文房具店の大手であるイトー屋がサンフランシスコに支店を持っているのは、そこに需要があるからだろう。
 その後、ドイツで一年ほど暮らして、安いという理由でステッドラーの製品をよく使った。ステッドラーはアメリカの文房具に比べるとはるかに優れていて、私も嫌いでは決してないが、日本では買おうとは全然、思わない。ドイツで買ったのは、そちらの方が日本製品より単に安いという龍だけからだ。
 アジアの建築関係者やランドスケープ関係者が東京を訪れると、イトー屋などの文房具店に行きたがる。ブラジルのランドスケープ関係者も、どこに行きたいですか、と尋ねると文房具店と言った。それだけ、日本の文房具やブランドなのだ。
 もちろん、すべてが日本の方が優れているとは思わない、色鉛筆に関しては、スイスのカラン・ダッシュが私は個人的には一番好きである。
 さて、話を成田空港の文房具店に戻す。こんなにも世界中から憧れの品と思われている日本の文房具をなぜ、成田空港で販売しないのだ。文房具店がないならまだ分かるが、わざわざ成田空港でテナントを出して、しかもそこで海外の文房具を販売するとは何を考えているのだろうか。まず、成田空港に来る多くの海外の人々を顧客として捉えていないことは確かであろう。そして、今回はそのような理由ではないが、私はたまに日本の優れた文房具を海外への人のお土産に買うが、そのようなニーズにもまったく答えてない。また、成田空港にいる人は、ほとんどが海外に行くのだから、例えばステッドラーが好きな人はドイツで買うだろう。というか、銀座とか渋谷とかで営業しているなら分かるが、この成田空港で買うというのは一体どういうマーケティングをしようとしているのだろうか。摩訶不思議である。

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