『鉄道員』 [映画批評]
1956年のイタリア映画。ピエトロ・ジェルミが監督、脚本、主役を演じた。ある事故をきっかけに、左遷された鉄道機関士が長男、長女と対立し、また自分の待遇への不満をまったく取り上げない労働組合が決行したストライキ破りをすることで仲間からも孤立し、家にも帰らなくなる。これ以上はストーリーが分かってしまうので書かないが、この鉄道機関士の末っ子の子役エドアルド・ネボラが、分裂した人間関係を修復するうえでいろいろと行動するのだが、その可愛さは相当のものだ。この映画を観るものの心を惹きつけるのは、このネボラの演技というか存在感に負うところが大きいと思う。あと、長女役のシルヴァ・コシナの美貌は凄い。クロアチア人の彼女は、この映画でブレークするが、それも当然であろうと納得する美しさである。
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