SSブログ

グリュナウの最終開発地区である8期地区を訪れる [都市デザイン]

ライプチッヒを発つ日、昨日、話は聞けたがゆっくりと見ることができなかったグリュナウを再訪する。Sバーンに乗って訪れたのだが、なんとグリュナウの中だけで4つも駅があることが分かった。私は湖が見たかったので、ミリティッザー・アレーの終点まで行く。ここは8期開発の地区である。8期は最も遅く、1989年と壁が崩れる1年前にできた。壁が崩れた後は、住宅は圧倒的な供給過多になってしまうので、なんとも皮肉だ。8期が開発された時は、住宅需要は凄まじいものがあったので、実際の計画よりも高層、高密度化が図られた。例えば、アイゼンヒュッテンシュタットだと、最後につくられたプラッテンバウは予算不足でもっとも施設的にも充実していないものが建てられたのだが、グリュナウは必ずしもそういう訳ではないようだ。しかし、高層、高密度化を余儀なくされたので、結果的に人々があまり好まない住区がつくられてしまったそうだ。

さて、そういうこともあって8期は空室率も高く、また取り壊しも多くされている。一方で、ここが最もいいと評価する住民もいるようだ。それは、都市の周縁部にあるため自然に最も近いからだという。特に、8期はクルクヴィツァー湖がそばにある。この湖のそばというのが魅力的なのだという。そういうものなのか。と思い、どんな湖なのかと思って訪れることにする。8期の開発をちょうど縦断するような形になった。なんと最も離れたところにて、新たな宅地開発をしているのを発見。これは一体、何なんだろうか。確かにグリュナウは去年、初めて人口が縮小するのが止まった。空室率は20%と高いが、人口が縮小しなかったというのは、再統一されてから24年間で初めてのことだ。とはいえ、8期は相変わらず人口減少が続いている。減築はしないことが決まったようだが、それでも新たに住宅を供給する余裕はないだろう。なんか不思議な気分だ。

さて、住宅が終わって、森の中をしばらく歩くと湖に出た。おお、なかなかの大きさである。多くの人が水遊びをしている。おお、これはいい写真が取れそうとカメラを鞄から取りだそうとしたら、なんと皆ヌードだ。得!もしかして、ヌーディスト・ビーチ。すると、FKKの看板が目に付いた。どうも公認のヌーディスト・ビーチである。せっかく写真を撮ろうと思ったが、ここで撮ったらパパラッチと思われると考え、断念した。しかし、金髪の中年女性が素っ裸でどーんと立っていたりしているのを見ると、なんでこんなことをしたいのかがよく分からない。また、オットセイの群れを見ているようで、全然、そこに美的なものを感じさせない。裸を見ても興奮しないためのトレーニングなのかもしれないなと思ったりもする。

帰りはトラムの1番線で中央駅まで戻る。グリュナウは3本の平行に走る公共交通によって交通サービスが提供されている。Sバーンが中心なのだろうが、其の南北に平行に走るトラムによって極めて充実した公共交通が確保されている。之は、自動車所有率が著しく低い旧東ドイツ時代に計画されたためだろうが、現在では極めて貴重な社会基盤となっている。

それにしてもグリュナウは3回目だが、それまで2回は人に連れてきてもらい、ついていっただけなので地理的位置とか、今ひとつはっきりと整理されていなかった。自分で行くとよく理解できる。自動車や自転車より公共交通だとさらに都市のネットワーク構造などを把握するのでよいと思ったりもする。

IMG_8190.jpg
(8期開発地区)
nice!(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1